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【第139回】 2011年4月5日
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週刊ダイヤモンド編集部

放射性物質検出で“水パニック”
適正基準なく水質も計測できず

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3月23日以降、東京都金町浄水場(葛飾区)など首都圏の水道水から、厚生労働省が通知した乳児向けの暫定基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る放射性ヨウ素などが相次いで検出された。数値は一両日で基準を下回ったが、人びとの不安は消えず、ミネラルウオーターの品不足は続き、メーカーは増産に追われている。

水道水から乳児の摂取基準を超える放射性ヨウ素検出との一報に、都内のコンビニは飲料水を買い求める人びとが殺到。陳列棚は軒並み“カラ”となった

 東京都が水道水から暫定基準値を上回る放射性ヨウ素の検出を明らかにした3月23日、関東のあるコンビニエンスストアの店舗では、500ミリリットルのミネラルウオーターの売上本数が震災前の約7倍に跳ね上がり、翌日にはほぼすべての陳列棚から消えた。震災以降、コンビニではすでに買いだめや救援物資需要で“水の品薄状態”が続いていた。23日夕方、東京都のヨウ素検出発表のわずか十数分後に起こったパニックともいうべき爆発的な需要に応えられるはずもなかった。

 大手スーパーでは、メーカーの営業担当者が台車で店内に運び込んだ途端、客が殺到して奪い取る光景がたびたび見受けられた。ヨウ素の影響を懸念した飲料制限は、乳児が対象である。サミットでは、24日、1歳未満の乳児と妊婦がいる家庭に限って販売する応急措置を取った。イトーヨーカ堂や東急ストアもこれに追随した。

 危機意識を募らせたある外資系企業では、社員全員の飲料水を半年間分、緊急空輸することを決定した。

 放射性ヨウ素は一両日で暫定基準値を下回ったが、品不足は全国規模で依然解消されていない。ほとんどのメーカーはすでに震災前からの販売好調を受けてフル生産体制に入っており、小売りからのさらなる増産要請に応えられず、また被災や計画停電による生産力低下も避けられなかったからだ。

 キリンビバレッジや伊藤園などフランスのダノン製ミネラルウオーターを輸入販売しているメーカーは、本国へ緊急輸入を要請した。しかしながら、海路で運ばれるため、日本に届くまでに少なくとも1ヵ月を要するという。

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