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絶滅危惧種
古座沖にセミクジラ
日本鯨研「沿岸部の目撃はまれ」
愛知の男性ら撮影
“イナバウアー”も披露


 絶滅危惧種のセミクジラが4月末、串本町古座沖でホエールウオッチング船から愛知県の男性が撮影に成功した。日本鯨類研究所(鯨研)は「数自体が少なく、沿岸部で目撃される報告例はまれ」と話している。

 那智勝浦町宇久井の南紀マリンレジャーサビス(米川亮治社長)の船主や乗客らが目撃。名古屋市の田中良明さん(46)や大阪府岸和田市の男性がジャンプする姿などを撮影した。東京大学の鯨類研究者が写真や習性などからセミクジラと確認した。
 セミクジラは成獣で体長16メートルにまで達するナガスクジラ類につぐ大型種。遊泳が遅く、死ぬと海面に浮くことから、格好の捕鯨対象として大量に捕獲され、最近では温暖化現象と見られる海水温度の上昇でエサとなるプランクトンが減り生息数を減らしているという報告も。全世界で数百頭と推定されている。鯨研によると国内の沿岸では回遊する途中の姿を発見した例は数例あるが、熊野灘沿岸では極めて珍しいという。
 米川さんは「ウオッチングをはじめて18年になるが初めて見た。ジャンプするとイナバウアーのようだった」と感激。また、船からの観察ではマッコウ、ミンクなどが見られるが、「今年は特に多い」と話していた。


イナバウアーのように可憐なジャンプを披露するセミクジラ=4月末、古座沖で田中良明さん撮影
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