東京電力の経営に国がどの程度かかわるかを巡り、政府・与党は国の議決権比率を過半数とする方向で調整に入った。当初は3分の1程度にする案もあったが、東電の経営を支配して企業体質の抜本改革に取り組むには過半数確保が欠かせないとの判断に傾いた。
政府は、東電が福島第一原発の廃炉費用などがかさんで債務超過になるのを防ぐため、原子力損害賠償支援機構を通じて1兆円規模の出資をおこなう方針だ。買い入れる株式については議決権のある普通株のほか議決権のない優先株などの選択肢もあり、経営に口出しできる議決権をどれぐらい持つかが焦点だった。
複数の政府・与党関係者によると、国は議決権のある東電株を5割超取得する方向で検討に入った。議決権比率は51%程度が想定されている。議決権つき株式に、将来的に議決権のある株式に転換できる権利がある優先株を上乗せし、出資比率は計3分の2超とする方向だ。