ある日♪
森の中♪
クマさんに♪
出会った♪
のならば、大変です。

花咲く森の道〜♪
クマさんに〜出会った〜♪
としたら、あなたは命の危険にさらされています。仮にそのクマさんがヒグマだったら、どうするのですか？子連れだったら、アウトです。

「クマに遭遇した際、人はどのような行動をするのか、興味があります。私もクマに遭遇してみたいです」

とは、教えて！gooに寄せられたtinkerさんの質問です。気持ちは分かります。筆者も同じ願望を抱いていました。しかし、今となっては、決してオススメできません。

「野生のクマと遭遇経験がある方」

■100mダッシュして逃げた

クマに遭遇した人は、実際にたくさんいます。noname#5746さんも遭遇経験があるようです。

「30メートルくらい離れた所で、クマが飛び跳ねた。あぁ、クマだと思ったら目が合ったので（中略）…全速力で走って逃げました」

と、語っています。

「一度も後ろを振り返ることなく（中略）…100mくらい走った。全身汗だくで心臓は破裂しそうでとても怖かったです」

とは、その時の心境だそうです。本当は、クマに背を見せて逃げてはいけません。目を合わせたまま、後ろにゆっくりと下がって、視界から外れると良いと言います。しかし、noname#5746さんも言っているように、いざクマに出くわすと、

「本に書いてあるような対処法は、簡単にできない」

のです。

■野生動物は、殺気立っている

クマに限らず、野生動物は動物園の生き物と、オーラが違います。

「やっぱり野生の動物は怖い」

とは、Kokimaroさんの言葉です。山野で野生動物に遭遇した人間だけが語れる、説得力のある言葉です。筆者も色々と思い出があります。一時お世話になっていた、北海道にある牧場の主人に、罠に掛かったキタキツネの処分を命じられました。木の棒を持って近づくと、

「ブヒッ」

と、キツネが威嚇してきます。牙を剥いて、全身の毛を逆立てながら、挑戦的なポーズをとってくるのです。相手は罠に掛かって自由を奪われているのに、自由な立場の私の方が、棒を握ったまま釘付けにされていました。

秋にかけて、クマとの遭遇が増える時期に入ります。質問者さんの好奇心も理解できますが、野生動物を甘く見ると、痛い目にあいます。山に入るときは、スズを鳴らし、ラジオを付けて、自分の存在を周辺にアピールして下さい。遭遇だけは、何とか避けましょう。

坂本正敬 （Sakamoto Masayoshi）→記事一覧