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ヒル米首席代表「北朝鮮の核検証、柔軟に」

ワシントンで記者団の質問に答えるヒル・米国務次官補

 【ワシントン=宮崎健雄】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の米首席代表クリストファー・ヒル国務次官補は10日、読売新聞などに対し、難航している北朝鮮の核計画申告を検証する手続きに関する交渉について、「真の検証手続きが必要だが、形式については柔軟にやりたい」と述べ、北朝鮮に一定の譲歩を行う意思があることを示唆した。

 北朝鮮が核施設の無能力化を中断するなか、最高指導者金正日総書記の健康悪化も伝えられているため、早期の交渉妥結を目指す必要があると判断した模様だ。

 米国は7月、核検証手続きの草案を提示したが、協議筋によると、北朝鮮は、核物質のサンプル採取や、すべての核関連施設を立ち入り対象とすることなどを拒否、交渉は進展していない。

 ヒル次官補は、核検証の内容については妥協しない考えを示したが、北朝鮮が反発している検証手続きの一部に関し、草案の文言の修正や、口頭の同意が得られれば合意文書に盛り込まないなど、手続きの表現上の打開案を検討しているとみられる。

 ヒル次官補はこれまで、「求めているのは国際的な水準で、驚くにあたらない」などとして、検証手続きでは譲歩せず、北朝鮮が米提案を受け入れた場合に、テロ支援国指定を解除する姿勢を見せてきた。しかし、北朝鮮の強い反発に加え、健康悪化で金総書記の交渉指導力に今後影響の出る可能性もあり、ブッシュ政権が任期切れを迎える来年1月までに6か国協議の核交渉を進展させるには、核検証手続きの早急な合意が不可欠となっていた。

2008年9月11日14時36分  読売新聞)

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