書評
評・中島隆信(経済学者・慶応大教授) 最近話題になっている「雇い止め」や「ワーキングプア」は、経営の悪化に直面した民間企業によるリストラの結果だと思われがちだ。 (10月22日)[全文へ]
評・三浦佑之(古代文学研究者・立正大教授) ここで私が取り上げる必要があるかどうか、しばらく思い悩んだ。楽しい読書にはならないかもしれないが、読んでほしいので書く。 (10月22日)[全文へ]
評・星野博美(ノンフィクション作家・写真家) 韓流ドラマやKポップのファンというわけではないが、韓国へ行くたび、赤いネオンでライトアップされた教会が多く目につくことを興味深く思っていた。 (10月22日)[全文へ]
評・管啓次郎(詩人・比較文学者・明治大教授) アメリカを「代表する」という言い方はふさわしくないが、このような気質とスタイルをもつ批評家はやはりアメリカ合衆国以外からはけっして出なかっただろう。 (10月22日)[全文へ]
評・ロバートキャンベル(日本文学研究者・東京大教授) 日本のように文学の営みが長く重層的な一国の歴史を一人で書き切るというのは至難の業だ、と前から思っている。そもそも近代的な「一国」の枠の中で文学を捉えようとすると、かつて異文化との間にも流れていたはずの豊かな文脈が閉ざされ、見えにくくなってしまいがちである。その上に、日本文学研究の現状でいうと、ご多分に漏れず細分化が進んでいる。新たな解釈が次々と生みだされる一方で、その解釈から何百年という時代の移ろいを見わたす足場を作り得ていないのが実情だ。 (10月15日)[全文へ]
評・細谷雄一(国際政治学者・慶応大教授) なぜいまイギリス帝国史か。著者である秋田茂大阪大学教授の意図は、単にイギリスの歴史を一国主義的に
評・朝吹真理子(作家) 単細胞バクテリア、謎のヴェンド生物、ホヤ、翼竜、最初の人類ルーシーの仲間、レバノンでイネ科植物を育てたナトゥーフ人。読んでいると、私の身体のうちをあらゆる生体が通り抜けていった。 (10月15日)[全文へ]
評・池谷裕二(脳研究者・東京大准教授) 予知や透視術といった超能力を持っていたら何をしようか。バカげた妄想だと一蹴されるだろうか。この問題を科学的に扱う学問がある。超心理学――これが本書のテーマだ。 (10月15日)[全文へ]
評・杉山正明(ユーラシア史家・京都大教授) 本書(日本語版で三冊)は、とてもおもしろい仕掛けが下敷きになっている。大英博物館とBBCの職員が、
評・橋爪大三郎(社会学者・東京工業大教授) ナザレのイエスは、ユダヤ人だった。
評・岡田温司(西洋美術史家・京都大教授) 「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮だ」、この名言を残したのは、音楽に精通したドイツの哲学者アドルノであった。そのアウシュヴィッツなど強制収容所やゲットー(ユダヤ人居住区)で音楽がいかなる役割を演じていたのか、それを克明にたどったのが本書。ナチスのユダヤ人
評・管啓次郎(詩人・比較文学者・明治大教授) 名前は扉。ヒトは自分の周囲の動植物を知るにつれ、個々の種に名前をつけ知識を蓄積していった。本書は北海道在住のナチュラリストによる愛すべき小著。各地の動植物の名前の由来を尋ねながら、それぞれの生態やヒトとの関わりについて短いエッセーをつむぐ。開かれる扉の先には列島の生命世界の、いつだって大きな感動をもたらしてくれる姿がひろがる。 (10月15日)[全文へ]
評・中島隆信(経済学者・慶応大教授) 近年、経済学研究者の間で「幸福の経済学」がブームになっている。これに対しては、「経済学はわれわれの幸せにまで口を挟むのか」と思われる向きもあろう。さにあらず、これは応用経済学の一分野ではない。経済学の理論体系そのものを根底から覆す可能性すら秘める「革命的」な動きともいわれている。『幸福度をはかる経済学』は、長年にわたって著者らが行ってきた「幸せ研究」の成果を紹介した書である。 (10月8日)[全文へ]
評・角田光代(作家) 二十五歳の編集者、
短評
- 『幸福な田舎のつくりかた』 金丸弘美著 (10月22日)
- 『江戸の天才数学者』 鳴海風著 (10月22日)
- 『外来どうぶつミニ図鑑』 鈴木欣司著 (10月15日)
- 『マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲』 アマーラ・ラクース著 (10月15日)
- 『日常生活で仏になる方法』 斎藤孝著 (10月15日)
- 『土偶・コスモス』 MIHO MUSEUM編 (10月8日)
- 『上司と部下の「最終決戦」勝ち残るミドルの“鉄則”』 河合薫著 (10月8日)
- 『日本の仏教を築いた名僧たち』 山折哲雄・大角修編著 (10月8日)
- 『川ガキ』 村山嘉昭著 (10月1日)
- 『トップアスリートの決定的瞬間』 西山和明著 (10月1日)
ニュース
- 吉田修一、津本陽両氏…本紙連載小説で競演 (10月27日)
- カート・ヴォネガットの作品紹介 (10月27日)
- 大人向け数学の「学び直し」本続々 (10月26日)
- 「夜回り先生いじめを断つ」出版 (10月25日)
- 梨屋アリエさんと体験型講座 (10月25日)
著者来店
- 『水のかたち』 宮本輝さん (10月23日)
- 『はかぼんさん空蝉風土記』 さだ まさしさん (10月16日)
- 『督促OL 修行日記』 榎本まみさん (10月9日)
- 『ニートの歩き方』 pha(ファ)さん (9月25日)
- 『あのころのデパート』 長野まゆみさん (9月18日)
海外ミステリー探検隊〜堂場瞬一のコラム〜
- スウェーデンの問題あぶり出す警察小説 (10月17日)
- 激動期のドイツ 警部の孤軍奮闘 (10月3日)
- インド社会反映した複雑な群像劇 (9月19日)
- 会話と心理描写をじっくりと (9月5日)
- 新ジャンル「ロビイストモノ」登場 (8月22日)
川の光2
読売新聞朝刊で連載している小説「川の光2」の読書ガイドです。
- 【担当記者日記】最後までご愛読をお願いします (10月17日)
- 【担当記者日記】ますます熱い「川の光2」 (9月24日)
コラム
記者が選ぶ
- 山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた (10月24日)
- 『弱くても勝てます』 高橋秀実著 (10月24日)
- 『迷宮』 中村文則著 (10月17日)
- 『性愛空間の文化史』 金 益見(キム・イッキョン)著 (10月17日)
- 『日米同盟の難問』 坂元一哉著 (10月10日)
アーカイブ
コミック・マガジン
マンガは僕の友達だった
本に関わるマンガに興味を引かれて、ちょいと本屋で探してみた。それなりにありましたな、これが。「意外」とも思ったが、「当然」かもしれない。マンガが子供だけを相手にしていた時代であれば、テーマは限られる。だが、現在ではマンガが扱うテーマは想像以上に拡大している。その多彩さは小説以上かもしれない。 (10月18日)[全文へ]
- 「本」をめぐる「マンガ」の話(2) (10月18日)
- 「本」をめぐる「マンガ」の話(1) (10月4日)
- 「クッキングパパ」120巻に思う (9月20日)
- 「手塚史観」に巨匠がほほ笑んだ (9月6日)
- 「マンガにおける文学性」を「海街diary」にみた (8月23日)
本こども堂
子どもたちへ
和歌山静子さん 72
- かわいい「王さま」よろしくね (10月16日)
- 型にはまったイメージ打ち破る (9月11日)
- 「語り部」に会いに行ってほしい (8月14日)
- 「悪い者は悪い」伝え続けたい (7月17日)
- 原作の魅力 きちんと届けたい (6月19日)
読みました
- 『最後の小学校』 秋山忠嗣(あきやま・ただし)著 (5月29日)
- 『待ちつづける動物たち――福島第一原発20キロ圏内(けんない)のそれから』 太田康介・著 (5月29日)
- 『スティーブ・ジョブズの生き方』 カレン・ブルーメンタール・著 (4月10日)
- 『開催(かいさい)!世界史(せかいし)サミット』 浅野典夫(あさの・のりお)著 (4月10日)
- 『ヤモリの指から不思議なテープ』 石田秀輝・監修 (3月13日)
- 『うま味(み)って何だろう』 栗原堅三・著 (3月13日)
- 『「リベンジする」とあいつは言った』 朝比奈蓉子・著 (2月7日)
- 『空色の凧』 シヴォーン・パーキンソン・著 (2月7日)
- 『怪物はささやく』 パトリック・ネス著 (1月11日)
- 『あかねさす』 加藤千恵著 (1月11日)
本だな
- 『だんごうおです。』 平田昌広・作、平田景・絵 (9月25日)
- 『ぼくとようせいチュチュ』 かさいまり・作 (9月25日)
- 『3つのなぞ』 ジョン・J・ミュース作、三木卓・訳 (9月25日)
- 『ぶたのぶたじろうさんは、ふしぎなちずをひろいました。』 内田麟太郎・文、スズキコージ絵 (9月25日)
- 『ふとんちゃん』 きむらよしお・作 (8月28日)
- 『たのしいピクニック――まみむめもりのなかまたち』 いしいむつみ・作、ひらおかひとみ・絵 (8月28日)
- 『日本の恐竜化石を復元しよう』 アンドリュー・デュアー制作、福井県恐竜博物館、いわき市石炭・化石館監修 (8月28日)
- 『大地のランナー――自由へのマラソン』 ジェイムズ・リオーダン作 (8月28日)
- 『いちにちおばけ』 ふくべあきひろ・作、かわしまななえ・絵 (7月31日)
- 『ぼくのこえがきこえますか』 田島征三・作 (7月31日)