地震予知できなくなる…実刑判決に科学界が反発【ローマ=末続哲也】2009年4月のイタリア中部ラクイラ震災で、大地震の危険性を警告しなかったとして、同国の地震予知の専門家ら7人に22日、禁錮6年の実刑判決が下ったのを受け、世界の科学界から「これから専門家は地震予知に協力できなくなる」と懸念する声が噴出している。 「今後は群発地震のたびに、専門家が住民避難を命じざるを得ない」。地元メディアによると、同国の著名な地質学者マリオ・トッツィ氏は、こう判決を非難した。23日には、伊政府の防災諮問機関「防災委員会」のルチャーノ・マヤーニ委員長が「こんな状況では平静に働けない」として、判決に抗議し、辞任した。 米民間団体「憂慮する科学者連盟」のマイケル・ハルパン氏も「ばかげており、危険だ」と批判し、米政府に判決を非難するよう求めるなど、波紋は国外にも広がった。異例の裁判は、地震予知のあり方を巡る議論に火をつけた形だ。 (2012年10月23日23時26分 読売新聞)
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