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火山活動監視ロボット開発、浅間山で公開試験

岩や砂利のある斜面を下る探査ロボット(24日、小浅間山で)
プロペラ付きのロボット「マルチコプター」の飛行テスト(24日、小浅間山で)

 長野、群馬県境の浅間山(2568メートル)が噴火した場合に遠隔操作で火山活動を監視する探査ロボット「ジオスター」を東北大学などの研究グループが開発し、浅間山周辺で24日、公開試験が行われた。

 約3キロ離れた場所から無線操縦して走行させ、搭載カメラで撮影した映像を送受信することに成功した。グループは今後、約1年かけて実用化を目指すという。

 噴火すると首都圏への影響が大きい浅間山での活動を想定し、東北大、芝浦工大、民間会社などが共同で1年前から開発。立ち入り禁止区域でも火山活動を監視し、火山灰の堆積量を把握して土石流の危険を予測するのに役立てる狙いだ。

 探査ロボットは3か所に車輪の付いたT字型で縦約50センチ、横約30センチ、重さ2・5キロ。動画カメラと全地球測位システム(GPS)を搭載し、車輪は斜面から落ちても壊れないスポンジ製。電動モーターで六つのプロペラを回転させる飛行ロボット「マルチコプター」で探査場所まで運ぶ。

 試験には、東北大の教授や学生ら約10人が参加した。

 浅間山の標高2100メートル地点に置いた探査ロボットを、約3キロ離れた群馬県嬬恋村の浅間六里ヶ原休憩所駐車場から遠隔操作し、目印となる5地点を正確に通過させた。撮影した映像も無線でパソコンに送信した。

 これに先立ち、浅間山のふもとにある小浅間山では、砂利や岩の斜面で走行を試験。飛行ロボットでは、GPSの誘導で指定した経路を飛ぶ機能を試した。探査ロボットを飛行ロボットで運ぶ試験は部品の一部が損傷して失敗したが、その他の試験は全て成功した。

 東北大の永谷圭司・准教授(航空宇宙工学)は「おおむね成功し、実用化が射程に入ってきた。探査ロボットを載せて長距離を飛ばすことが今後の課題」と話していた。

2012年10月25日21時09分  読売新聞)

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