アイドリングストップ機能。再びエンジンがかからないことは?
アイドリングストップ機能が搭載されたクルマが増えています。これって交差点などで機能が作動したとき、エンジンが再びかからないことはないのでしょうか? よろしくお願いします。(東京都・38歳)
あらゆる状況を想定、さまざまなバックアップがあります
結論から申し上げれば、大丈夫です。機械のことですから、絶対とは言い切れません。しかし、自動車メーカーがあらゆる不具合を想定し、試験したうえで商品化しているので、心配はいらないのではないでしょうか。
その理由をお話ししましょう。まず、アイドリングストップ機能がないクルマに比べてバッテリーの電気容量を大きくしたり、あるいはアイドリングストップを支援するためのバッテリーを2個搭載したりすることで、万一の電力不足という不具合に備えています。
また、短時間に何度もアイドリングストップを繰り返して電力が不足してきた場合には、自動的にアイドリングストップをしないように切り替わります。そしてエンジンを回したまま発電機を動かして、バッテリーに充電するようになっています。
赤信号などで停車しているのにエンジンが再始動してしまう場面があります。これはバッテリーの電力を管理している証しです。
右左折などで瞬発的な発進をしたい場合に備え、ハンドルを少し回すとエンジンが再始動する仕組みになっているアイドリングストップ機能が多くなっています。これによって、アクセルを踏み込む前にあらかじめエンジンを再始動しておくことができます。
それでもアイドリングストップは不安だというドライバーの要望に応えるため、アイドリングストップをしないようにするスイッチを備えたクルマもあります。
私の体験から申し上げれば、クルマが止まっているのにエンジンをかけたままにすることの方が不自然に思えます。また、アイドリングストップをすることにより停車中のエンジン振動や騒音がなくなるので、案外、渋滞が苦にならなくなってきます。さらには、「アイドリングストップで燃料が節約できるならば」と黄色の信号で躊躇なく止まる決断がつけられます。交差点への無理な進入を減らせるのではないでしょうか。
アイドリングストップは、クルマでの外出に、止まることへの喜びを与えてくれる効用もあると感じています。
プロフィール |
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御堀直嗣 みほり・なおつぐ
1955年 東京都生まれ 。玉川大工学部卒。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員等を務める。EV等にも詳しい。 スキューバダイビングや乗馬を楽しむアクティブ派でもある。
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(2012年10月23日 読売新聞)