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初めてクルマを買う新社会人の皆さんへ(2)

リセールバリュー1位の「ムーヴコンテ カスタム」

 前回、クルマを購入するなら「リセールバリューのよいクルマ」と書きましたが、今回はその差がどうして起こるかについてお話します。

 まずはおさらいですが、リセールバリューは数年後に乗り換えで愛車を手放すときにどれくらいの価値が残っているかを指標化したもので、リセールバリューが高い方が次回乗り換える時に手持ちの資金が節約できます。簡単にいえば、ローンを組む時は頭金を払うケースがほとんどですが、その頭金が増えるイメージです。

 では、なぜリセールバリューに差が出るのでしょうか。リセールバリューは中古車の価格が基になります。中古車の人気で価格が変わるので、人気車ならリセールバリューは高く、不人気車はその逆となります。また、需要と供給のバランスでも価格は変わってきますので、人気のあるクルマでも市場に出回る数が多過ぎればそれほど高くないケースも出てきます。

 ここ数年はエコカーブームで、ハイブリッドカーやコンパクトカー・軽自動車といった低燃費車に人気が集中していますので、リセールバリューは安定して高い状態が続いています。しかし、前述の通り需給のバランスでも変わってきますので、市場占有率の高いコンパクト・軽自動車は飛び抜けて高いというわけではありません。

 需給バランスが大幅に崩れている例としては、中古車の輸出市場で人気の高いSUV(スポーツ用多目的車)でしょう。国内の販売台数は限られ、中古車の引き合いも新車市場での比率とそれほど差がないのですが、海外からの引き合いが高く、場合によっては新車とそう変わらない価格で取り引きされます。

 そして、安定した需要といえばミニバンがあげられます。ミニバンはファミリー層の需要が高く、購入者の年代の幅も広いため、安定した需要があります。一部の大排気量車に関しては、ガソリン高騰で値を下げていますが、ほとんどの場合は標準的なリセールバリューより高い結果となっています。

 以上をまとめると、ハイブリッド/コンパクトカー/軽自動車/SUV/ミニバンといったジャンルのクルマにオススメ車両が多く含まれています。

 車種を選ぶ前にご自分のライフスタイルにあったカテゴリーを決める方が多いと思いますが、カテゴリー選びも慎重に行うことをおススメします。

200万円以下の軽自動車のリセールバリューのランキング
メーカー 車名 代表グレード 本体価格(税込み) 3年後Min 3年後Max
ダイハツ ムーヴ コンテ カスタム RS 149.0万円 58% 〜 75%
スズキ ラパン T Lパッケージ 143.6万円 50% 〜 67%
ホンダ N BOX G・Lパッケージ 134.0万円 49% 〜 66%
スズキ エブリィ ワゴン PZターボ スペシャル 155.4万円 50% 〜 64%
日産 ルークス ハイウェイスター 146.5万円 48% 〜 64%
スズキ ワゴンR スティングレー 141.8万円 49% 〜 63%
スズキ ワゴンR FX リミテッド 121.3万円 49% 〜 63%
ダイハツ タント エグゼ カスタム G 144.0万円 49% 〜 62%
ダイハツ ムーヴ Xリミテッド 142.0万円 48% 〜 61%
ダイハツ ミラ イース 99.5万円 41% 〜 61%
プロフィール

鈴木詳一  すずき・しょういち
 ガリバー自動車研究所所長。福島県いわき市出身。車歴:ホンダ・シビック → 日産・ホーミーバン → いすゞ・ジェミニ → トヨタ・スターレット(レース用) → BMW・325i → BMW・328Ci → BMW・M5。リセールバリューの算出や自動車市場動向の調査・研究に日夜勤しむ。最近はTVや新聞でもコメントする機会が増え、見た目を気にするようになった。遥か昔にレースをやっていた程、根っからのクルマ好き。それ故、ミニバンでも走りの要素がないクルマには魅力を感じない。が、速いばかりがクルマではないとも思っている。普段はおっとりとした性格だが、クルマとガンダムについて語り出したら止まらない。CORISMガリバーfacebookでも執筆中。http://twitter.com/GLV_SHOCHOU
2012年7月17日  読売新聞)

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