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トヨタ「オーリス」 走る楽しさ 存分に追求トヨタは欧州戦略車に位置付ける小型車「オーリス」を初めて全面改良して発売した。欧州で人気の「ハッチバック」タイプで、デザインと走行性能の両面で「走る楽しさ」をアピールする。 低い視点運転席に座ると、スポーツカー並みに低い視点に驚かされる。先代モデルより全高を5・5センチ、運転席の着座位置を4センチ低くした。重心を低くし、走行時の安定性を高めた。 今回、開発陣は、欧州のスタッフを交え、「欧州車を 一部グレードの無段変速機(CVT)では、車速の伸びに合わせてエンジンの回転数を上げ、シフトチェンジの感覚を味わえるスポーツモードを設定した。最もスポーティーな「RS」は6速マニュアルのみだ。 オプション設定できるパノラマルーフは、後部座席の頭上までガラス部分が広がり、オープンカーのような開放感を味わえる。 欧州市場を意識オーリスは、欧州の小型車市場を開拓するため2006年に発売した。初代は世界約30か国で累計113万台を販売しているが、そのうち欧州での販売が78万台と7割近くを占める。今回の新型は、年末から順次欧州市場にも投入予定だ。 デザインを一新したのが車両前部。中央のマークからつながるヘッドライトまでの部分がV字形になっており、「シャープで知的な印象を与える」(トヨタ)顔つきだ。「キーンルック」と名付け、ほかのトヨタ車にも今後採用していく。キーンは、英語で「(感覚が)鋭い」(keen)という意味だ。 燃費はグレードなどで異なるが、初代と比べて1割程度改善した。排気量1・5リットルの前輪駆動車は、停車すると自動でエンジンが切れるアイドリングストップ機能をオプション設定した場合、1リットルあたり19・2キロ・メートル(JC08モード)の燃費となる。 安全性能も同クラスでトップレベルだ。夜間走行時に室内カメラのセンサーが周囲の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替える機能を新たに採用した。また、急なハンドル操作や滑りやすい路面でのカーブ時に、センサーが感知し、自動制御で車両の安定性を確保するシステムを標準装備した。 格好良くスポーティーに開発責任者の藤田博也氏に聞いた。 ――力を入れた点は。 「見た瞬間、乗った瞬間に感じるイメージと、感覚に一体感を持たせられるよう心がけた。デザイナーには感情を揺さぶられるような格好良いクルマを、エンジニアにはそのデザインに合ったスポーティーな走行性能を要求した」 ――アピールしたい点は。 「スペースの広さや装備の充実をうたったミニバンではなく、経済性重視の軽自動車でもない。実用性も大事だが、そういったことよりも格好良さ、スポーティーさを強調した。それでいて2人しか乗れないスポーツカーでもない。家族で爽快な走りを楽しんでほしい」 ――競合するクルマは。 「フォルクスワーゲンのゴルフやマツダのアクセラ、スバルのインプレッサなど。特に欧州車は円高・ユーロ安を武器に攻勢をかけてきているので手ごわい」(山岸肇)
(2012年10月15日 読売新聞)
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