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電力不足でも電気自動車は有効?

 最近、電気自動車がしきりに宣伝されています。電力不足なのに電気自動車を持つことは有効なのでしょうか?(神奈川県 新田知枝さん)

省エネのためにも普及が必要


イラスト 原田タカオ

 ご質問の意図は、よくわかります。同じような疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

 世界で、いま我々が目指すのは省エネルギーです。エネルギー利用によって大気中に放出される二酸化炭素が増え、気候変動につながっているからです。世界の人口は70億人超で、100年余りで4倍以上に増えた人間の活動が、地球環境に大きな負担を及ぼしています。自動車は、いまや世界で10億台あり、電気自動車以外は二酸化炭素を排出し続けています。

 電気自動車の動力であるモーターは(エネルギー変換の)効率が90%以上です。これに対してガソリンエンジンは30%以下。省エネルギーを果たしながら、自動車を有効活用するには電化しかありません。

 発電所は、発電を随時減らしたり増やしたりしにくい「大規模発電」をしているので、夜間に余った電気は電気自動車に充電し、昼間に使えば、全体的な発電量を抑えることができます。また、太陽光や風力など不安定な自然から発電する電気を充電しておくことで、上手な自然エネルギーの活用が可能になります。

 節電が求められる状況だからこそ、止まっているときに「充電池」のような役目も果たせる電気自動車の普及が必要なのです。(自動車ジャーナリスト 御堀直嗣)

2012年8月27日  読売新聞)
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