発注したのに…頭抱える都選管、入場券刷り直し
「もう発注したのに……」。東京都足立区の選管職員はそう頭を抱えた。
知事選用の投票所入場券の印刷を発注した後で、衆院の解散が決まり、刷り直さなければならない事態となった。
「同じ日に選挙を行うのに、入場券が別々だと混乱の元になる」として、区選管では、1枚にまとめて刷り直すことを決めたという。しかし、すぐに作業を始めても、知事選の期日前投票に間に合うか微妙な状況で、担当者は「業者にはなんとかお願いしているところ」と話す。
衆院選東京3区と4区の二つの小選挙区がある大田区は、知事選用の入場券の扱いに苦慮している。開票作業をスムーズにするため、知事選の入場券を3区用と4区用に分ける予定だが、既に一部は区別のないまま印刷済み。その入場券をどうするか未定で、同区選管は「もう一秒も無駄にできない」と危機感を口にする。
約72万人と、都内最多の有権者を抱える世田谷区も、入場券の印刷を発注済みで、現在、書式を変更するか検討中だ。また、江戸川区では、投票の仕方などを説明する「投票のしおり」を区民に配布する予定だったが、知事選についてしか書かれておらず、刷り直しが必要となった。
入場券の発送作業も混乱している。江戸川区内のダイレクトメール発送代行業者は今回、目黒区の知事選の投票所入場券の印刷・発送作業を請け負った。
知事選の投票所入場券を刷り直す作業が加わったことで、作業が膨大になり、知事選の期日前投票に間に合うか、ギリギリ。他の区からも発送業務の依頼を受けたが、「とても余裕がない」と断ったという。
都知事選に加え、急きょ衆院選とのダブル選挙となった都内の自治体。既に刷り上がった知事選用の投票所入場券の刷り直しを迫られる選挙管理委員会が相次いでいる。今月30日に始まる知事選の期日前投票に間に合うように入場券を発送しなければならず、担当者たちは焦りを募らせている。
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