世襲禁止、不戦敗もばかばかしい…民主苦慮
引退する民主党の羽田孜元首相(長野3区)と長男の羽田雄一郎国土交通相(参院長野)の後援会「千曲会」は19日、長野県東御市で会合を開き、羽田雄一郎氏に長野3区へのくら替え出馬を要請することを決めた。
しかし、野田首相は国会議員の世襲禁止をアピールするため公認しない方針で、くら替えを断念せざるを得ないとの見方も出ている。
野田首相は19日、訪問先のカンボジアで記者団に対し、「脱世襲の政治はしっかり例外なく推進する」と強調した。輿石幹事長も大阪市内で記者団に「党で決定したことはきちんと守っていく」と語った。別の党幹部は「参院の1議席は重い」と述べ、参院の勢力減につながるくら替え出馬は望ましくないとの考えを示した。
民主党が羽田雄一郎氏の公認を認めないのは、衆院選の争点として国会議員の世襲禁止を掲げる狙いからだ。自民党では祖父が首相を務めた安倍総裁ら党幹部をはじめ、新人にも世襲候補が目立つ。首相が重視する環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に関し、安倍氏も前向きな姿勢を示すなど、民主、自民両党間の政策的な対立軸が今ひとつ明確にできていないため、世襲問題で自民党との違いを打ちだそうという思惑がある。
民主党は、国会議員の配偶者や3親等以内の親族が同一選挙区から立候補することを内規で禁止している。
党内には、「羽田元首相の地盤は強固で、羽田雄一郎氏以外の候補者を擁立するのは難しい。無所属で出馬するなら黙認せざるを得ない」との指摘がある一方、「対立候補を擁立しなければ世襲禁止は形だけだと批判される。かといって、世襲禁止にこだわって不戦敗になるのもばかばかしい」との声もある。
(2012年11月20日08時18分 読売新聞)
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