メディアファクトリーの月刊誌「ダ・ヴィンチ」の「Book of the Year 2012」に選ばれた「銀の匙」(左)と「ちはやふる」
メディアファクトリーの月刊誌「ダ・ヴィンチ」の「Book of the Year 2012」に選ばれた「銀の匙」(左)と「ちはやふる」

 本の情報を掲載する月刊誌「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)が「今年最も読み応えがあった本」を選出する「Book of the Year 2012」が5日発表された。男性誌コミック部門は荒川弘さんの「銀の匙」が、女性誌コミック部門は末次由紀さんの「ちはやふる」が1位に輝いた。

 「銀の匙」は、進学校のし烈な受験戦争に行き詰まった少年・八軒勇吾が、教師の薦めで北海道の農業高校に進学し、仲間と絆をはぐくんで人間として成長していく姿を描いた青春ストーリー。「ちはやふる」は、快活な少女・綾瀬千早が、競技かるた日本一の祖父を持つ転校生の少年・綿谷新と出会って競技かるたの魅力に目覚め、のめり込んでいくという物語。

 男性誌部門の2位は「ONE PIECE」、3位は宇宙飛行士を目指す兄弟の挑戦を描いた「宇宙兄弟」、4位は17歳のプロ棋士と3姉妹の交流を描いた「3月のライオン」、5位は「名探偵コナン」だった。

 女性誌部門の2位は内気で優しい少女の恋と成長を描いた「君に届け」、3位は不思議な力を持つ「友人帳」を巡って少年と妖怪たちとのかかわりが語られる「夏目友人帳」、4位は架空の江戸時代を舞台に男女逆転の世界を描いた「大奥」、5位は男気あふれる少年とイケメンの友人の友情、恋のストーリー「俺物語!!」だった。

 「Book of the Year 2012」は、99年12月から毎年発表されており、今年で13回目。書評家、全国の書店員など本に精通した“本の目利き”が実際に読んだ本の中から選び、投票する。今年は4625人が投票した。小説部門は有川浩さんの「空飛ぶ広報室」が1位を獲得するなど、さまざまなジャンルのランキングを6日発売の同誌13年1月号で掲載している。(毎日新聞デジタル)