伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員2期目
議会活動、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

映画「いのちの林檎」 早苗さんの近況

2012-05-31 02:11:02 | 化学物質過敏症
私たち「生活環境を健康にする会」主催で「いのちの林檎」を上映し、大勢の方に観ていただいた。

私たちは大量の化学物質の影響を受けながら、日々生活している。
今は発症していなくても、化学物質過敏症予備群は大勢いるはず。
そしてすでに化学物質過敏症になってしまった人も日本には70万人〜100万人いるという。

「いのちの林檎」を観ていただき、化学物質過敏症で苦しんでいる患者への理解を深めてもらえたと思う。
また、生活環境から化学物質をできるだけ遠ざけることで、健康被害が防げるし、子どもたちや胎児への影響を食い止められる。
そのためにも、無用な、不要な農薬、化学物質を使わないでほしいという声を大きくしていきたいと活動している。

映画上映後、「早苗さん達は今どうしているのですか?」という問い合わせをいただいた。
映画プロデューサーの馬場さんから早苗さん道子さんの近況をお知らせいただので、報告します。*******

早苗さんは、映画の最後にでてきた小屋でお母さんと暮らしています
呼吸困難は、相変わらずあるそうですが、鶏を飼って、卵を食べ、食べられるものが増えてきたそうです。

土日は、お父さんと弟さんが来て、薪を運んだり、力仕事をしてくれるそうです。
弟さんが、あと二棟、小屋を作ったそうです。
弟さんたちが泊まれる小屋とシャワーができる小屋。

お母さんが、
「早く治ればいいと思うことを止めて、今日一日、生きれたことを感謝すればいい、と思うことにしたら、気が楽になった」
と話してくださいました。

早苗さんは、呼吸困難や、昏睡や、硬直がありながら
「あ、すみれが咲いたね、きれいだね」
「北アルプスがきれいだね」
「今日のうどん、おいしいね」
と毎日ひとつ、小さな幸せをみつけて暮らしています。

お母さんの道子さんは、台所道具を工夫したり、
オーガニックの服にレースの衿をつけたり、少しでも、生活が楽しくなるようにしています。

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お母さん道子さんの言葉は、とても重みのある言葉です。
私たちは、
「なぜこんなことになったんだろう」とか
「これからどうなるんだろう」とか、ついくよくよと思い悩みます。

しかし、現状を受け入れて、日々の暮らしに感謝する気持ちが、生きる力につながるんだなぁと、改めて思いました。

それにしても、早苗さんが鶏を飼って、卵を食べることができる生活になったことを聞くと、他人事ながらうれしくなる。

「いのちの林檎」を観た方、皆さんにとってもうれしい報告ではないでしょうか?

多くの方に「いのちの林檎」を観ていただきたいと思います。
各地で上映会を企画していただけたら、うれしいです。

問合せ先
いのちの林檎公式HP




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5/27東京新聞より 秘密保全法案だけではない 「危ない法案」めじろ押し

2012-05-30 08:34:14 | 政治
秘密保全法の問題だけでなく、人権・思想を蹂躙した治安維持法まがいの「危ない法案」が今後上程される恐れがある。
政権交代しようが自民党時代から警察官僚主導ですすめられるこの流れに、政権をとった民主党は反対することもできない。

まずは、「共通番号制(マイナンバー)法案」
国民一人一人に番号を付けて年金、医療などの情報を管理する仕組みだが、個人の情報を一括管理する。
情報漏洩、番号の悪用に対する危険性は大きい。
消えた年金問題に絡めて導入がアピールされたが、年金改革もトンと進まず、番号制だけが進んでいく。
個人情報が一元管理されて得をするのはだれか?

「新型インフルエンザ対策特別措置法」
新型インフルエンザが発生した時、自治体に集会の中止や強制的な土地使用の権限を与える、というもの。
新型インフルエンザの危険性が不明である事と、人権制限を適用する要件もあいまい、と問題満載の特措法が4月、成立してしまった。


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5/26東京新聞より 「ホルムアルデヒド問題」 排出元は以前にも垂れ流していた!!

2012-05-28 10:01:36 | 残土産廃問題
ホルムアルデヒド問題で判ったのは、いかに川が垂れ流しの温床か、ということ。
河川水を飲料水にしている私たちの健康問題として厳しく法規制されなければならないはず。
今回60トンのヘキサメチレンテトラミンが川に放出され塩素と結びついて分かったが、一体どれだけの化学薬品が川に垂れ流されているのだろうか。


東京新聞2012年5月26日 朝刊より**************************

産廃業者違法性問えず? ホルムアルデヒド問題

 利根川水系から取水する首都圏の浄水場で検出された有害物質ホルムアルデヒドの原因物質は、水質汚濁防止法では河川に排出する規制の対象外で、廃棄物処理法も委託会社の告知義務に抵触するか明記していない。
埼玉県からは「産業廃棄物処理業者の法的責任を問うのは困難」との声が出ている。

 厚生労働省などは原因物質を、ゴムや合成樹脂加工に使われるヘキサメチレンテトラミン(HMT)と特定。
浄水場で使われる塩素と反応すると、ホルムアルデヒドがつくられる。

 水道法に基づく水質基準は、ホルムアルデヒドの基準値を一リットル中0.08ミリグラムと規定。一方、工場排水の基準を定める水質汚濁防止法で、HMTは「環境への影響がない」(環境省水環境課)と規制の対象外としている。

 埼玉県によると、この物質の流出元とされる産業廃棄物処理業の高崎金属工業(群馬県高崎市)は今月10日、埼玉県本庄市の化学製品会社「DOWAハイテック」から、HMTを含む廃液約60トンの処理を請け負った。

 県によると、廃棄物処理法施行令は「生活環境の保全上、支障を生ずるおそれがないような措置」を業者に求めている。
だが、県は「HMT自体が直接、生活環境への支障を生じさせていない。
業者の違法性は問えないだろう」と指摘する。

 一方、ハイテック社については、廃棄物処理法に抵触する可能性があるとみている。
同法施行規則は、委託先への告知義務の対象にHMTは明示していないが、廃棄物の「適正な処理に必要な情報」を委託先に提供するよう義務づけている。

 埼玉県行田市の行田浄水場で2003年に検出された高濃度のホルムアルデヒドは、ハイテック社の排水に含まれるHMTが原因と確認されている。
県は「ハイテック社は9年前の問題で、未処理ではホルムアルデヒドになることを知り得ていたはずだ」とみる。
 

高崎金属工業はHMTの告知を受けなかったと主張。
これに対しハイテック社は取材に「HMTを告知する義務はない」と違法性はないと主張している。

 埼玉県は九年前、排出規制の必要性は見過ごしていた。
県は「当時は特異な問題と考えていた。会社が排出対策をとったため、国などに規制を求める必要性はないと判断した」と説明。今回の問題を受け、再発防止のためHMTの排出規制を国に求めている。



原因物質が流出したとみられる利根川水系の烏川周辺=25日、群馬県高崎市で

以上転載おわり****************************************

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5/27東京新聞より 密室協議の秘密保全法案 「危ない法案」なぜ相次ぐ?

2012-05-27 20:32:17 | 政治
5月27日の東京新聞 こちら特報部では「秘密保全法」「共通番号制」など国民の知る権利を制限するどころか、国家権力が行動を縛る治安維持法まがいの「危ない法案」が目白押しの状況を警告している。

秘密保全法については、4/21『原発と「秘密保全法」どっちが怖ろしい?』と題して日弁連の山下幸夫さんの学習会をUPした。

東京新聞の記事↓も同じく、政権が代わっても官僚主導のもと進められてきた形だけの有識者会議。
非公開でシナリオ通りに進められた問題点は大きい。



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「福島第一原発4号機の状況」TVニュースより

2012-05-26 22:10:31 | 原発問題
5月26日細野原発事故対応大臣が4号機内を視察したフジ系のニュース映像。
面白いことに、TBS系は問題を矮小化して報道しているのが比較すると分かる。

以下ニュースから転載***************************

「4号機内部と報道公開、原発のすごさ まざまざ」

福島第1原発4号機の建屋内部が、報道陣に初めて公開された。
4号機には、核燃料が大量に残されていて、25日、一部の壁に3cm程度の膨らみがあることがわかり、建屋の強度などに不安の声が上がっている。
映像からは、鉄骨が曲がるなど、2011年3月に起きた爆発が激しかったことがわかる。
4号機の原子炉建屋は、爆発により原形をとどめていない。
4号機から70メートルほどの場所では、放射線量は1時間あたりおよそ100マイクロシーベルト(μSv)となっている。
26日、福島第1原発を視察した細野原発事故担当相。
廃炉に向けた厳しい作業が続く中、4号機は建屋内の状況が安定してきたということで、今回は、視察にあわせて代表取材という形で報道陣にも公開された。
映像から伝わってくるのは、「事故の収束作業の厳しさ」。
建屋内は暗く、階段なども1人が通るのがやっとという狭さ。
爆発の影響で、めちゃくちゃに内部も壊れている。
配管が曲がっていたり、がれきが散乱している状況だが、壁の大きなひび割れなどは映像からは確認できなかった。
次に向かったのは、核燃料プールの下にある建屋2階部分。
燃料プールの下の床は、肉眼で見る限り、大きなひび割れなどはなかった。
2011年3月の震災当日、定期検査中の4号機だったが、3号機で発生した水素が流れ込み、水素爆発が起きて屋根などが崩壊した。
建屋の3階から4階部分に設置されている使用済み核燃料プールには、1,535体の核燃料が残されたままになった。
水なども含めておよそ1,670トンもの重量があり、「すでに建屋が傾いているのでは」など、余震が来た際の耐震性に不安の声が上がっている。
そのため、東京電力は万が一のため、核燃料を入れたプールの底が抜けないように、鉄骨やコンクリートでの補強を2011年7月に行ったという。
爆発があった4階部分は、鉄製の機械が折れ曲がっていて、爆発のすさまじさを物語っている。
4階から上は壁がなくなっている。
そして、カメラは使用済み核燃料プールを上から見下ろせる5階に移動。
そこは、爆発によって天井がなくなり、直接太陽の明かりが差し込んでいる状況。
建屋の鉄骨は大きく曲がり、壁が吹き飛ばされ抜けていて、水素爆発の激しさを物語っている。
奥には、がれきなどが依然散乱しているが、手前の使用済み核燃料プールは、取り出し作業へ向けて、現在はきれいに片づけられている。
また、プールの上は、がれきや放射性物が飛散することを防ぐためのカバーで覆われている。
使用済み核燃料プールは、下まで見えない状態になっている。
はっきりと核燃料が見えないのは、がれきや粉じんなどの不純物が完全に除去できていないことが原因だという。
また26日は、プールの水位を測定する様子も公開された。
プールの水の量が保たれているかを調べるとともに、いくつかの箇所で測定を行うことで、プールの水が傾いていないか、建屋が傾いていないかも定期的に調べているという。
細野原発事故担当相は「あれほど過酷な環境の中で作業しているのは、中に入り、初めてわかりました。楽観的に見るのではなくて、厳しく認識して、再度安全性について確認することは、東京電力にやってもらいたい」と述べた。
東京電力は、定期的に4号機建屋などの強度を確認しながら、2013年中には核燃料の取り出し作業を始める予定。

最終更新:5月26日(土)18時9分*************************

この中で、記者が、
使用済み核燃料プールを見降ろせる5階部分で、
「何が何だかわからないくらい崩れています。」
とコメント。

東電側がプールの水位を測定しているが、
「450!」
「昨日公表しているデータは461ですね」
「もう何点か測ってみないと分からないですね」
というやり取りが聞こえてきた。

その後どうなったのでしょうね?



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【期間限定】ドキュメンタリー映画「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」

2012-05-25 08:47:21 | 放射能問題
「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」をyoutubeで送っていただいた。

「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」***************

WHO世界保健機関と IAEA国際原子力機関が共同で開催した、2001年キエフ国際会議の模様を捉えた、とても貴重なドキュメンタリーです。
特に福島の原発事故以来、私たちも避けて通れなくなった内部被曝の実態や、その証拠がどのように隠されてきたかを目の当たりにすることが出来ます。

ウラディミール・チェルトコフ(Wladimir Tchertkoff)監督、エマヌエラ・アンドレオリ、ロ マーノ・カヴァッゾニ助監督作品
フェルダ・フィルム、2004年、51分

日本語版制作 Echo Echanges France、りんご野
字幕翻訳 藤原かすみ、藤本智子、辻俊子、コリン・コバヤシ
字幕・ナレーション制作 岩城知子 
ナレーション 東陽子

Echo Echanges France
http://echoechanges-echoechanges.blogspot.fr/

りんご野(Ringono)
http://ringono.com/
****************************************

期間限定ということなので、50分と長いのですが、是非観てください。

日本語版制作者からのコメントは以下の通り。*******************

スイスの医学博士でチェルノブイリの惨禍を25年以上見つめて来たスイスの医学博士ミッシェル・フェルネクスの来日講演中、上映された。
ウラディミール・チェルトコフ監督「真実はどこに? ー放射能汚染を巡ってー」は、日本語版制作者であるわたしたち<エコー・エシャンジュ>と 日本の市民団体<りんご野>によって、ユーチューブにアップされました。

以下のアドレスです。
http://www.youtube.com/watch?v=oryOrsOy6LI

また、今後、DVDも販売致しますので、以下のメールにお問い合わせいただけたらと思います。
尚、収益は、フェルネクスが創設した<チェルノブイリ/ベラルーシのこどもたち>を通じて、ベルラド研究所の支援の為に寄付されます。
問い合わせ: echoechanges@wanadoo.fr
またフェルネクスのセミナーと講演が岩上安身さんのサイトにて、一定期間,御覧頂けます。

5月20日さいたま市の肥田瞬太郎氏を囲んだセミナー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/16403

5月23日東京講演
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=6

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「野鳥たち〜木更津にて」by坂本文雄

2012-05-22 07:24:12 | 日記
畔田谷津の生命を守る坂本文雄さんより

ユニークな鳥たちの写真をいただいた。
5月15日に木更津君津で撮ったそうです。



     オオヨシキリ
     葦が枯れていますが、冬の写真ではありません。
     青々とした新芽がまだ伸びきっていないだけです。



     セイタカシギ
     竹馬に乗ったような、背高さんです。
     足が長いのも程がある。



     タシギ  
     長い嘴を泥に差し込んで餌を探します。



     トウネン 
     シギの仲間では最小クラス、今年生まれの意味で当年と言われますが、これでも大人です。
     ほぼスズメと同じ大きさです。

オオヨシキリはヨシの皮の中にいる白い虫を食べる、と坂本さんから教えていただいたことがある。
ヨシキリ⇒「ヨシの中だけ」という意味の名前とか。
ヨシがなければ生きていけない鳥ですね。

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「宮城県視察 震災ガレキの現状」 仙台市

2012-05-21 00:39:26 | ガレキ広域処理問題
視察先最後は、今回のガレキ広域処理問題を別の角度から考えるため、模範的処理をしている仙台市へ。
仙台市は広域処理に出さず、すべて自前で行っている。
仙台市の取り組みはテレビなどで当初から紹介されていた。
万が一震災が起こった場合、自分たちの市でも同じように進めるには、どうしたらいいか、何が必要か準備するためにも一度現地視察したいと考えていた。

仙台市のガレキ量は135万トン。
仙台市は、すべてのガレキの分別処理システムを震災後いち早く始めた。
なぜできたのか?

人材がいたこと。
通常の家庭ごみ(一般廃棄物)の処理以外に政令指定都市として産業廃棄物の許認可権も持っているため、現場をよく知っていた。

職員の意識が高かったこと。
国の指示を待っていても、最終的には自分たちで進めていかなければ回っていかない。
震災直後、3月15日には京都市からガレキ撤去チームが入り、25日には廃棄物資源環境学会も入っていろいろなアドバイスを受けた。
また、神戸市からも震災直後よりアドバイスがあった。

市役所が被害を受けなかったこと。

ガレキを分別処理できる広い場所があったこと。
海岸線に沿ってのびる松林。
広大な国、県、市の公共用地、公園があったので、搬入場とすることができた。



広がっていた松林も津波でまばらに。

野球場のあった蒲生搬入場(30ha)には日量処理90トン炉が平成23年10月1日より稼働開始。
パークゴルフ場のあった荒浜搬入場(30ha)は300トン炉が12月1日より稼働開始。
視察に訪れた井土処分場(40ha)は海岸公園予定地や馬術場があった場所で90トン炉が10月1日から稼働している。

当初から細かく分別して焼却を減らし、炉を小さくしたいという意向があった。
リサイクル率目標50%だったが、実際には60%。
ちなみに、他の被災地では車には手つかずで、これからまとめて公告し、その後入札を行うということで、道路わきに野積みになっていたが、仙台市ではすでに6177台リサイクルし、残り205台とか。早い!!

以下は井土搬入場。
細かく分類されているが、震災直後から分別がきちんとできていないトラックは搬入させなかった。
基本的な方針が決まっていたからこそできた。





金属くずはトン当たり2万5千円で売却。3万トンあるとか。



自転車、家電製品



自販機はメーカーが引き取り



庭石も



木くずと丸太の木質系は1/3をリサイクルに利用



混合廃棄物



コンクリ―トガラ



津波堆積物
よく見るとこまごまと入っている



宅地内のがれき撤去は昨年7月までに完了。
農地は7月から始めて12月に完了。
今年7月より、石巻ブロックの木くずを中心とした可燃物10万トンの受け入れ予定。

仙台市復興計画では県道のかさ上げが必要であり、ガレキを利用する。
私のメモ書きには6.2m盛土とあるので、国道10号線は津波対策を兼ねて防波堤のようにするのか?
誰か確認して教えて。

ちなみに放射線量は、市街地では時間当たり0.06マイクロシーベルトのところ、0.1マイクロシーベルト。
やっぱり高くなっている。
主灰 97〜260ベクレル/kg
飛灰 300〜1,380ベクレル/kg

建設費は90トン炉で20億円。
ランニングコストは年300日稼働で5億円。

300トン炉は40億円。
ランニングコストは年7億円。



ストーカ炉



廃ガス冷却装置



バグフィルター



飛灰に薬品処理して飛び散らないようにしているが、これって・・・・・?
薬剤処理しているので重くなっているから1kg当たりは低い値になりますね。



主灰も残渣率50%。
女川町の焼却ガレキのようにお金に糸目を付けずに分別すれば、きれいなゴミができるが、可燃物といえども津波堆積物にまみれていれば焼却残渣率は高くなる。
現場は簡易焼却施設という事でかなり劣悪な状況。

仙台市、石巻市、女川町と3カ所はそれぞれの特性があった。

女川町のバックグラウンドは硬い岩盤なので、堆積物もあまりなく、問題のカドミウムやヒ素、PCBも、アスベストさえ心配いらないという事だった。
放射線量も低く、却って関東の方が高い。

石巻市はやはり津波堆積物には汚染物質の問題があり、各地点の土壌調査をして汚染を取り除く必要があった。
牡鹿半島にはホットスポットがあり、距離的には近くても、放射能問題もある。
それでも関東より低いのだけど。

仙台市は宮城沖地震が予想されていたので、マニュアルが出来ていた。
津波のマニュアルではなかったが、それを応用することができた。
人任せにすることなく、自分たちでやっていくその姿勢が重要だという事が良くわかった。

それにしても、仙台市は最終処分場の埋め立て残余が数10年分あるらしい。

環境省はガレキ広域処理キャンペーンの広告料に、分かっているだけで40億円予算を付けている。

しかし、4カ所の被災地ではガレキに埋もれて大変という印象ではなかった。

ガレキ広域処理のモデルケースの女川町でも、44万4千トンは仮置場に集められている。
女川町の問題は地盤沈下と産業の壊滅、鉄道の不通ではないだろうか。
視察で大勢全国から訪れても、周りに宿泊するところがないため、結局地元にお金が落ちない。
広域処理ができないから復興が遅れているというのではなく、町の被害、人的被害があまりにも大きかったことが原因ではないだろうか。
同じように東松島市も大きな被害を受けていた。

5月19日、国は広域処理のガレキ量343万トンを再計算して1/3になると下方修正した。
一方、東京どころか北九州市までガレキを持って行くという事だ。

広域処理するより、県内処理で十分やっていけるのではないだろうか。
平成26年度中に終了させるとしているが、その根拠は国の補助金の期限がそうなっているから。

女川町は町の復興計画に早く取りかからなければ、町民が流出してしまうとして、来年度中に中間処理場まで返還するとしているが。

それ以外は土地はたっぷりとある。
あと2年ほど処理期間を延ばしたら、無駄な無理な広域処理などしなくてもよくなる、と考える。





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「宮城県視察 震災ガレキの現状」 女川町

2012-05-20 11:57:30 | ガレキ広域処理問題
5月15日は女川町震災ガレキ仮処分場を視察。


現地コーディネーター マサさんと。
前日の石巻市からずっと車中で震災直後からの現地の状況を聞くことができた。
マサさんとは、ここでお別れ。

女川町中間処理場(日本水産があった場所)で、東京都、宮城県、女川町の担当者から説明を受けた。

女川町は人口1万人中827人が死亡。
住居の8割に当たる3270棟が半壊以上の被害を受けた。
平均1mの地盤沈下している。



フレコンを堤防代わりに置いている。

震災ガレキ置場位置図。
黄色が女川町ガレキ中間処理場(今回説明を受けた所)、赤色部分にガレキが集められている。



震災ガレキは44万4千トン。
現在、民有地である清水仮置場、伊勢仮置場に搬入されている。
今まで住宅のあった低地には住居を置かないようにして、これから山を削って高台を住宅地にする土地利用計画が説明された。
産業がなければ人が戻ってこれないから、そのためにも来年度中にはガレキ処理を終わらせ、中間処分場もすべて撤去し、土地を所有者へ返還する予定、という事だった。



ガレキが片付かなければ、町の再生計画に手を付けられないという説明だった。
道の両側を占めているガレキ量を見れば、そんな気がしてくるが、ガレキがすべて片付かなければ復興計画に着手できないのだろうか。
現在ガレキ置き場になっている民有地は多目的エリアにするとのこと。

説明に入る前に時間があったので、女川町を襲った津波の映像が上映されたが、あまりの被害の深刻さに、言葉を失う。
海沿いにあったマリンパル女川の屋上からビデオを撮っているが、高台に見えるのは女川町立病院。

よみうりONLINE「宮城県女川町を襲う大津波」 

女川町は海岸と山の間の狭あいな土地に広がった町だったため、大津波の第一波でほとんどの建物は壊滅した。

中間処理施設では、2本の選別ラインで手選別作業が行われていた。(1レーン20人)







木片の放射線測定を1時間毎に行う。


放射能対策のため、きれいに手選別され破砕処理した木片チップと廃プラ・その他可燃物を8:2にブレンド、鉛で覆われた特製コンテナに積み込みJRを利用してそのまま東京都の焼却施設へ。



8:2がきちんとされるか、都側が監視員2人体制でチェック。
それにしてもきれいな木質チップ。

女川町での中間処理の費用は1億5千万円。(平成25年度終了予定で)

東京都の運搬費はトン当たり2万円弱。
23区内での処理費用は1トン当たり14,500円で計3万5千円。
多摩地区の処理費用1トン当たり25,000円で計4万5千円。

女川町のガレキ44万トン中10万トンが東京都へ。
と言っても、ガレキ総量からコンクリートガラや再利用できる木材などを除くと約10万6千トン。
ほとんど東京都へ行くのだろうか。
きれいな物しか東京都へ送り出せないので、漁網やロープ、可燃物で配合率からはみ出したものが石巻市雲雀野の県焼却場へ運ばれる。

すべて処理費用は最終的に国からでる。

次の視察先、仙台市への道中、タクシーの運転手さんの話によると、
16メートルの高台にあった女川町立病院の一階の1.9mの高さまで海水につかっってしまい、駐車場で車に避難していた人たちまで犠牲になったという。
運転手さんも女川町立病院にちょうどいたため、車に乗って山に逃げたという事だった。



女川町立病院駐車場からの女川町。
3階建ての建物が基礎部分からころがっている。
水没したうえ、何度も襲ってきた津波と引き波で頑丈な鉄筋の建物がこの状態。



女川町立病院入口の柱1.9mの所に印が。大野さんの頭上はるか上。
津波は病院へ続く道を上ってきて、気がついた時には後ろに迫っていたそうだ。

また、海岸から延びた道をたどって何キロも先まで津波は駆け上がっている。
道の両側にはガレキ一つ残っていないが、石積みの敷地だけが整然と残っていた。

ガレキ仮置場の入り口



ガレキが積み上げられた道をたどっていくと、ナント!!

女川原発資料センター



その隣は女川原発オフサイトセンター



津波の通り道だったことがわかる。
女川原発は危機一髪、電源がかろうじて1機残ったため、福島原発事故同様になることを免れたとか。
オフサイトセンタ―がこのありさまでは、危機管理は難しかった。


仮置場以外はガレキは撤去されているように見える。




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「宮城県視察 震災ガレキの現状」 石巻市その2

2012-05-17 21:42:54 | ガレキ広域処理問題
5月14日、15日、宮城県石巻市、女川町、仙台市の視察報告第二弾です。
石巻工業港雲雀野埠頭の宮城県第二次処分場について。

石巻市内にある市の第一次仮置き場から宮城県の第二次仮置き場へガレキを搬入し中間処分、焼却処分まで行う。
この雲雀野埠頭の県第二次処分場は本年4月下旬にオープン。
5月下旬から日量8,200トンの処理する本格稼働が始まる。

これからこの搬入ゲートには毎日延べ数千台のトラックが集まり、GPSを使った運行管理システムで管理していく。



県処分場内では、私たちはずっと録音と録画をされていた。
何に使うのでしょうね。

計量台



地元雇用1,250人を目標とのこと。
しかしこの処分場は平成26年度中に事業を終了する予定。
ガレキはベルトコンベヤ―で流し、それを手作業でより分ける選別ラインが2本できていた。
1レーンには20人が作業にあたっていた。
これから8本に増やしていく。







ガレキの混合物の中から金属片、木片、木くず、コンクリートがら、石などを手選別しベルトコンベアの最後は可燃物。
ネットに引っ掛かっているのは紙くず。



前日、細野環境大臣が出席して「火入れ式」をした仮設のロータリーキルン炉が2基。現在1基試験運転中。



仮設のため上屋もなし、焼却炉の仕組みが良くわかる。
2年半で役目を終えるため、最低限の設備で、このキルン炉はリサイクル炉だとか。
おかげで300トン炉が1基40億円でできる。

建設中の仮設ストーカ炉3基。これは新品。



7月に順次稼働開始、8月本格的に運転するようになると日量300トン×5台で焼却処分される。

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