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群馬県における森林環境税(仮称)の検討について
1 森林環境税とは
地方自治体が単独で森林整備等を行い、その費用負担を県民に幅広く求める目的の税をいう。
森林は、水を蓄え水源を涵養(かんよう)する機能だけでなく、大雨の時に洪水や土砂災害を防止する機能、二酸化炭素を吸収して地球温暖化を防止する機能、また、多様な生物の生息地となり、レクリエーションの場になるなど、さまざまな機能を持っている。
しかし、近年、森林の荒廃が深刻化しており、森林が持つこれらの機能の維持・回復をいかに図るかが課題となっている。これら課題に対応するため、各県で森林環境税が導入されている。
2 本県における検討経緯
- 平成19年度から20年度にかけて、研究会、ワーキンググループ、検討会議を合わせて10回開催し、森林環境税を活用する事業や課税方法、実施期間などを検討。
- 平成20年秋のリーマンショックに端を発した、世界経済の危機や景気の後退など、社会・経済情勢が大きく変化したことから、その後は情勢を注視しながら慎重な検討を継続。
また、景気に回復傾向が見られたため、本格的な検討を再開しようとしたところ、平成23年3月には東日本大震災が発生。 - 平成24年2月定例県議会一般質問における知事答弁 「森林環境税などの導入に向けては、県民をはじめ市町村、関係団体、有識者などの意見をよく聞き、議会とも真剣に議論する必要があると考えている。今後、森林や水環境を保全する方法や財源の確保について平成24年度中に議論し、条例案の作成までスピード感を持って検討していきたい。」
3 今後の方針
本県の森林は、清らかな水を育み、災害を防止し、県民の暮らしを支えている。豊かな森林を次世代に継承することは、我々の責務であり、森林環境の保全と併せて水環境を良好に保っていくことが求められている。
その財源として森林環境税の導入について検討を行い、今年度中に条例案を作成する。
(1) 導入の目的
- 森林環境の保全(公益的機能の高い森林づくり)
- 水環境の保全(良好な水環境の創造)
(2) 平成24年度の取り組み
- 庁内検討会議における制度案等の検討
- 有識者会議における検討
- 県民意識の把握
- 県民・経済団体等への説明
- 市町村への説明
- 県議会への報告・審議
(3)制度の検討手順
- 課題・解決策の整理
- 対象事業の検討・整理(目的、施策内容、事業量、必要経費等)
- 森林環境税の規模の検討・決定
※2、3により制度の決定 - 森林環境税(仮称)条例案の作成
(4)森林環境税税制に関する有識者会議について
本県の森林の持つ公益的機能の維持・増進、併せて水環境の保全を図る上で必要な施策の財源について、総合的な観点から検討を行うことを目的に設置。
学識経験者や森林・水環境に関する関係者、市町村代表など11名で構成。
有識者会議詳細及び現在までの開催結果へのリンク
<参考>
1 他県における導入状況
区分 | 県数 | 都道府県名 |
---|---|---|
導入済 | 31 | 高知、岡山、鳥取、島根、山口、愛媛、熊本、鹿児島、岩手、福島、静岡、滋賀、兵庫、奈良、大分、宮崎、山形、神奈川、富山、石川、和歌山、広島、長崎、秋田、茨城、栃木、長野、福岡、佐賀、愛知、宮城 |
平成24年4月導入 | 2 | 山梨、岐阜 |
他の独自財源 | 3 | 埼玉、福井、沖縄 |
計 | 36 | |
検討中 | 5 | 群馬、北海道、新潟、三重、京都 |
情報収集程度 | 6 | 青森、千葉、東京、大阪、香川、徳島 |
※平成24年4月現在。導入済み県は導入時期順に記載。
2 制度の仕組み
区分 | 内容 | |
---|---|---|
課税方法 |
県民税均等割の超過課税 個人:年間300~1,200円 法人:均等割額の5~11%増 |
(茨城県) 個人:年間1,000円 法人:10%増 税収規模:16億円 (栃木県) 個人:年間700円 法人:7% 税収規模:8億円 |
税収規模 | 年間1.7~38億円 (2~5億円規模が多い) |
|
実施時期 | 5年間又は10年間(ほとんどの県が5年間) | |
事業内容 |
ハード事業:森林整備(水源地域などの間伐、広葉樹林化等)、里山整備(竹林整備、広葉樹植栽、景観対策等)、間伐材搬出支援 など ソフト事業:普及啓発、森林環境教育、ボランティア支援、木材利用推進 など |
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