【エリア別 極ウマの定食屋】
谷中銀座周辺
【食・レジャー】
JR日暮里駅と地下鉄千駄木駅のほぼ中間にある谷中銀座。人気の街を一通り物色したところ、よみせ通りで食指が動く。「キッチン マロ」((電話)03・3822・0036)なる小さな店だ。
年季の入った食品サンプルがデンと構え、これぞ下町の洋食屋というべき外観である。引き戸を開ければ、夫婦ふたりで営む家庭的な雰囲気。
ランチメニューは全7種類あり、ライスと味噌汁、コーヒーがセットになっている。店主におすすめを聞けば、「何でもおいしいよ!」。しばし悩んだ末、先客にならいハンバーグ680円をオーダーした。
待つこと約5分、デミソースのいい香りを漂 わせて、料理が運ばれてきた。ハンバーグに箸を入れるとホロッと崩れ、肉汁がジワリ。ソースをたっぷりと絡ませて頬張れば、ビターなデミソースと肉のうま味が混然一体となって押し寄せてくる。
あとは一心不乱に食らうのみ。完食。ややボリュームに欠けるものの、食後のコーヒーまで楽しめた。満足である。
<中東料理は600円で満腹だ!>
つづいては、「レストラン ザクロ」((電話)03・5685・5313)。谷中銀座商店街のシンボル、“夕やけだんだん”のたもとにある中東料理店だ。民族衣装や調度品がそこかしこに飾られていて、異国情緒にあふれる。ペルシャ絨毯(じゅうたん)の敷かれた座敷スタイルも面白い。
注文は、写真を見て、スープ、煮込み料理、ライス、ナンなどが付いた「普通におなかへったコース」600円に即決。煮込み料理は4種類の中からラム肉をチョイスした。
その味は、スパイスやハーブがきいていながら、思いのほかあっさりとしている。ラム肉もクセがなく軟らかで、ライスやナンとの取り合わせも抜群だ。これで600円なのか? と驚くほどのボリュームである。
心の中で再訪を決意した。
<名物メンチは散策にピッタリ>
さらに商店街を歩いていくと、精肉店や総菜店でメンチカツが売られている。どうやら谷中の名物らしい。「肉のサトー」((電話)03・3821・1764)もしかり。これでもかというくらいに飾られた有名人の色紙が目印だ。
看板メニューは、国産の銘柄牛を遠赤外線のフライヤーで揚げた谷中メンチ150円。肉のうま味がしっかりしているから、何もつけず、そのまま食べてもうまい。街歩きのお供にはぴったりの逸品である。