ニッケルバック来日公演…多彩な曲、観客と一体化
カナダ出身のロックバンド、ニッケルバックが、今月、東京・日本武道館で公演した。
世界でのアルバム総売り上げが5000万枚を超える人気グループで、ヘビーだが親しみやすい楽曲で支持を広げた。ベースのマイク、ボーカルとギターのチャドのクルーガー兄弟に聞いた。
武道館は盛況だった。サビの部分だけでなく、歌詞全体を口ずさむファンが多いのに驚かされた。激しい楽器音に負けないチャドのボーカルは野性的だ。全米シングルチャート2位を記録した「フォトグラフ」や同1位の「ハウ・ユー・リマインド・ミー」などのヒット曲では、聴衆の合唱もより大きくなる。ハードな曲にメロウな曲を交ぜ、いいバランスになっていた。
昨年出た最新アルバム「ヒア・アンド・ナウ」(ワーナー)も全米2位まで上がった。こちらもハードな「ディス・ミーンズ・ウォー」から哀感に満ちた「ララバイ」まで、彼らの幅広い魅力が詰まった1枚だ。マイクは「北米では、ラジオ局が二極化していてポップなものはよりポップに、ヘビーなものはさらにヘビーにしなきゃいけないという傾向があるんだ」とする。彼ら自身、自然と両方のサウンドをやってきたので、そこに違和感はなかった。チャドは「これ以上ないほど、叫んでいる曲もあれば、ピアノを中心にしたバラードもある」とする。
ラブソングなどに交じって、社会的な問題を歌った歌詞もある。「ホエン・ウィ・スタンド・トゥギャザー」は、〈宙を飛び交う銃弾〉をテレビで見たとしても〈遠い国の出来事として見るだけで あとは忘れてしまう〉と歌う。また、飢えた世界がある一方で、先進国では、食べ物を無駄に捨てていることも訴える。〈明らかに何かが間違っている〉とチャドは嘆き、〈共に立ち上がるしかない〉〈それでこそ みんなが勝者になれる〉と叫ぶ。この歌はもともと、東日本大震災の影響による原発事故のニュースがきっかけになって作り始めたという。「命の危険を顧みず、対応にあたっている人たちがいた。それを世界中が応援した。あの時は、世界が一つになったと思った」と振り返る。
チャドは今年、同じカナダ出身の人気シンガー・ソングライター、アヴリル・ラヴィーンとの婚約を発表しており、公私ともに絶好調といった感じだ。(桜井学)
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