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根菜と豚肉のゴマ煮 酸味さわやか 食進む

撮影・中村光一

 根菜がおいしい季節。料理研究家の今泉久美さんに、ゴマの風味をきかせたヘルシーな根菜の煮物を教えてもらった。作りおきしておけば、弁当のおかずに、お酒の供にと、いろいろ活用できそうだ。(生活情報部 宮木優美)

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 根菜は火が通るのに時間がかかる。そこで今回は、すべて幅1センチ、長さ5センチ程度の棒状に切ることにした。「乱切りより、この形にそろえた方が早く煮えます」と今泉さん。食べる時にも箸でつまみやすく口に入れやすい。「小さなお子さんにもお勧めです」。一緒に煮る具材には、脂身の少ない豚ひれ肉を選んだが、鶏肉でもおいしくできる。

 熱したフライパンからゴマ油の香りが立ったら、まず、硬いゴボウとコンニャクからいため始める。コンニャクを最初から入れるのは水分を飛ばすためだ。ニンジン、レンコン、豚ひれ肉も順に入れていためる。

 続いて煮汁。和風の煮汁はどうしても塩分が多くなりがち。そこで今回は酢を加え、酸味を利かせて塩分を抑えることにした。火加減は中火にするのがコツ。「弱火でクタクタと煮ると、軟らかくてコシのない煮物になってしまいます」。水分がなくなってきたら、隠し味に黒コショウをふり、最後に、すった白ゴマをたっぷりとかけてあえる。

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 お皿に盛ると、たちのぼる湯気にのって、ゴマのいい香りが漂ってきた。食べると、ゴマの風味と酸味がしっかりと感じられ、ご飯も進みそう。もちろんお酒と一緒に楽しむのもいい。今泉さんは、「さわやかな酸味のある煮物なので日本酒はもちろん、白ワインにも合いますよ」と勧める。ゴマであえているので汁気がなく、弁当のおかずにもよさそうだ。

 ゴマ煮の1人分のエネルギーは233キロ・カロリー。歯ごたえのある根菜は満腹感を得やすいので、体重を気にしている人にもお薦めのおかずになった。

《2》

 ■材料=2人分

 豚ひれ肉120g/レンコン80g/ゴボウ3分の1本/ニンジン小2分の1本/コンニャク100g/ゴマ油大さじ2分の1杯
煮汁=だし4分の1カップ、酒、みりん、酢、しょうゆ各大さじ1杯、砂糖小さじ1杯
粗びき黒コショウ少々/白すりゴマ大さじ2〜3杯/小ネギ小口切り少々

 ■作り方

 《》豚ひれ肉は5cm長さ、1cm幅の棒状に切り、しょうゆ、酒各小さじ1杯をからめる。

 《》ゴボウは5cm長さに切り、それぞれ四つ割りに。レンコンも穴に沿って5cm長さ、1cm幅に切る。ゴボウとレンコンは酢水に3分ほどつけ、水気を切る。ニンジンとコンニャクも同様の棒状に切る。コンニャクは水からゆでておく。

 《》ゴマ油を熱し、コンニャクとゴボウをいためる。油がまわったら、ニンジン、レンコン、豚ひれ肉を入れていため、煮汁を加えて蓋をする。時々混ぜながら、中火で8〜10分ほど煮る。

 《》水気があったら蓋を取って混ぜながらとばし、コショウをふって火を止める。ゴマをかけてよく混ぜ、小ネギをふる。

 今泉 久美さん(料理研究家)

 夜が長くなり、お酒を楽しむ機会が増える時期だが、健康を気遣うなら、一緒に食べるものにも気を付けたい。

 今泉さんはお酒を飲む時、歯ごたえのある料理や、油を使わない料理を選ぶよう心がけている。もし揚げ物が欲しくなったら、一緒に冷ややっこやお浸しを食べるなど、組み合わせに工夫をしよう。

 「空揚げにフライドポテトといった、居酒屋でおなじみの組み合わせは避けた方がいいでしょう」

 余った具材 きんぴらに

 余った材料で「きんぴらゴボウ」=写真右=を作る。きんぴらのゴボウは、短冊形に切った後、マッチ棒のような千切りにすることが多い。だが今泉さんは、「斜め薄切りにしてから細く切った方が楽ですよ」と話す。山梨県の今泉さんの実家では、人が集まると大量のきんぴらゴボウをつくって振る舞うが、ゴボウは決まってこの切り方だそうだ。

2012年12月6日  読売新聞)

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