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7インチタブレット「Kindle Fire」が登場 アマゾンからいよいよ、7インチのタブレット端末「Kindle Fire(キンドルファイア)」および「Kindle Fire HD(エイチディー)」が発売となった。 今回は、ハイエンドモデルとなる「Kindle Fire HD」を試用する機会を得たので、その使い勝手をリポートする。 「Kindle Fire HD」は、斜めから見ても色が変化しにくいという特徴を持つ「IPS(In Plane Switching)方式」採用の高精細液晶カラーディスプレーを搭載する(画面1)。画面サイズは7インチで、解像度は1280×800ピクセルだ。 そのほかハードウエア面の特徴には、デュアルアンテナ、デュアルバンド、MIMO技術(複数のアンテナを組み合わせてデータ通信を高速化する)の採用がある。これにより、アマゾンが提供する各種コンテンツサービス(詳しくは後述)をWi−Fi環境で快適に利用できる。 また、ドルビーオーディオおよびデュアルドライバ・ステレオスピーカーを採用し、音質にもこだわりを見せる。さらに、HDMI端子を装備するのでテレビに接続し、大画面で各種コンテンツを楽しむことも可能だ(HDMIケーブルは別売り)。 保存領域は16GBと32GBの2モデルから選ぶことができ、バッテリーは連続11時間以上使える。販売価格は、「Kindle Fire」(8GB)が1万2800円、「Kindle Fire HD」は1万5800円(16GB)と1万9800円(32GB)だ。 コンテンツを楽しむ 「Kindle Fire HD」は、OS(基本ソフト)にAndroid(アンドロイド)を採用する。しかし、アマゾンが独自にカスタマイズしたものであるため、他のAndroidタブレットとは操作感が異なる。 起動すると表示されるホーム画面には、中央に最近使ったアプリやコンテンツが表示される。左右にスワイプ(指先を画面に付けたまま移動)するとアプリやコンテンツがスライドし、タップすればすぐに利用できる仕様だ(画面2)。 また、画面上部にナビゲーションバーを配置。ここには検索、お買い物、ゲーム、アプリ、本、ミュージック、ビデオ、ウェブ、写真、ドキュメントと10個のメニューが並ぶ。 「お買い物」をタップすると、ストアのメニュー画面が開く。ここから、本(Kindle本)、アプリとゲーム(Androidアプリストア )、ミュージック(Amazon MP3ストア)といったアマゾンが提供する各ストアに直接アクセスできる。また、「Amazonでお買い物」もあり、こちらはデジタルコンテンツではなく、アマゾンから各種製品を購入可能だ(画面3)。
本(電子書籍) アマゾンが提供するKindleストアには、膨大な数の書籍、実用書、コミック、洋書などがあり、これらをストアから手軽に購入できる。ベストセラーやおすすめ、ジャンル、検索機能を使って読みたい本を探そう(画面4)。 購入した本は「ライブラリ」に追加される。この画面には「クラウド」と「端末」ボタンがあり、「クラウド」をタップするとクラウド上で管理している本を、「端末」をタップすると「Kindle Fire HD」上にある本を表示する。つまり、パソコンや他の端末で購入した本も、ここからダウンロードして読めるというわけだ(画面5)。 クラウド上の本をタップすると端末側にダウンロードされ、タップすれば読める。文字のサイズや種類、行間、余白、背景の色などを読みやすいように調整することが可能だ。また、ページをブックマークしたり、メモを残したりも可能で、ツイッターやフェイスブックにコメントを投稿する機能もある。文字を長押しし、辞書を呼び出して語句の意味を調べる機能も備える(画面6)。
音楽 「ミュージック」から、「Amazon MP3ストア」の音楽も購入して楽しめる。音楽も本と同様に、クラウドと端末で管理でき、他の端末で購入した音楽を「Kindle Fire HD」で再生することが可能だ(画面7)。 「ドキュメント」では、アマゾンが無料で5GBを提供するクラウド上のデータ保存領域を利用できる。パソコン上からウェブ閲覧ソフトを使ってオフィス文書やPDFファイルなどを保存しておけば、「Kindle Fire HD」で閲覧や編集ができるので便利だ。 また、写真や動画の閲覧・再生にも対応しており、パソコン上に保存しているファイルをコピーできる。ウィンドウズの場合、「Kindle Fire HD」を付属のUSBケーブルで接続すると外部ストレージとして認識するので、ドラッグ&ドロップしてコピーすればいい(画面8)
マックの場合は、「http://www.amazon.co.uk/kindle/support/」からファイル転送用ソフト「Android File Transfer」(無料)を入手してインストールすれば、ファインダーでデータをコピーできるようになる。 独自のアプリストア 「Kindle Fire HD」は、アマゾンが提供するコンテンツサービスを利用することを重視したタブレット端末だ。標準機能として付属ソフトによるウェブの閲覧、メールの送受信はできるが、一般的なタブレットのように何でもこなすための端末ではない。 それは、グーグルが提供するアプリストアの「GooglePlay(グーグルプレイ)」が利用できない仕様になっていることからもわかる。アマゾン独自の「Androidアプリストア」が用意されているが、実際に利用してみると普段使っているアプリが見当たらないため、「GooglePlay」とは随分印象が異なる(画面9と10)。
「Skype(スカイプ)」アプリをダウンロードしてのテレビ電話は可能だったが、ファイル同期ソフトの「Dropbox(ドロップブックス)」や「SkyDrive(スカイドライブ)」が見当たらない(「Sugarsync(シュガーシンク)」と「Evernote(エバーノート)」はある)。 また、日本語入力システムの「ATOK(エートック)」もなく、「グーグル・マップス」(標準で地図アプリは付属しない)や「グーグル・アース」など、グーグルが提供するアプリもほとんど見当たらない。 このあたりは、今後入手できるようになるのかもしれないが、今のところ、一般的なタブレット端末のような使い方を考えていると、物足りなく感じることだろう。 こうした点を見ても、「Kindle Fire HD」はやはり、アマゾンが提供するコンテンツを楽しむための端末だと言える。それだけで十分だというユーザーにとっては、価格も安く、魅力的な端末だろう。(テクニカルライター・小野 均) 「Kindle Fire HD」の詳細情報ページ (2012年12月26日 読売新聞)
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