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2013年春夏コレクション

シブヤを着た東コレ

主会場移し、一般へアピール

 最新モードで着飾ったモデルとともに「TOKYO」の文字が映し出された映像に多くの人が目をとめた(12日午後、東京・渋谷で)=鷹見安浩撮影

 13日から始まった2013年春夏東京コレクション(東コレ)。今回から主会場が、前回までの東京・六本木から渋谷に移った。若者の街シブヤで開催することで、東コレの認知度を高め、日本のファッションを世界に発信することが狙いだ。(竹之内知宣)

 東京・渋谷ハチ公前のスクランブル交差点。ビル壁面の大型モニター4面に、大音響の音楽とともにモデルが登場し、東コレの告知が流れる。

 東コレを運営する日本ファッション・ウィーク(JFW)推進機構による15秒間のPR映像だ。渋谷開催を広く知ってもらうため、開幕前の7日から閉幕する20日まで1時間に2回程度流している。

 ファッションショーが行われる主会場も、今年4月に開業した渋谷ヒカリエに移った。地上34階、地下4階のガラス張りのモダンなビルにブティックや食料品店に加え、ギャラリーや大型劇場などが入る複合施設。先月中旬には、来館者が早くも1000万人を超え、東京でも屈指の人気スポットとなっている。

 「一般の人にも関心を持ってもらうため、国際的に知られるファッションの街で最も注目されている施設を会場に選びました」とJFW推進機構事務局長の山崎賢二さん。

 半年先の服装を提案する東コレは基本的にビジネスの場だ。ファッションショーに招かれるのも通常、小売店の買い付け担当者やマスコミ関係者に限られる。そのため一般消費者の認知度は低かった。

 ところが、ニューヨークやパリでは近年、コレクション期間中に様々な一般向けの催しが行われ、多くの人がファッションの祭典の華やかさに触れられるようになった。

 ビジネスの場から一般を巻き込んだファッションイベントへと、いかに脱皮を図れるか――。JFW推進機構が目を付けたのが流行発信地の渋谷。百貨店や小売店などファッション関連産業が集積し、東京の服飾デザイン事務所の約4割も渋谷区に集中。駅周辺再開発の象徴として東京急行電鉄が開発した渋谷ヒカリエの話題性も魅力だった。

 渋谷の街づくりを進めてきた東急も東コレの渋谷開催を歓迎する。少子化の影響で幅広い年齢層の集客が渋谷の課題になっているからだ。「渋谷ヒカリエは単なる商業施設ではなく文化の発信地として世界からの集客を目指している。だからこそ個性的な才能が集う東コレを誘致したかった」と東急の担当者は話す。

 ファッションを地場産業として位置づける渋谷区も、東コレの波及効果を期待する。区内にある約300のブティックなどが営業時間延長や割引販売を行ったり一般対象の無料のショーを行ったりするなど、東コレ期間中の多彩なイベントを区も後押しする。

 同区は、これまでも創業資金を融資したり事務所を割安で貸したりするなど資金の乏しい若手デザイナーを支援。「街の活性化につながる東コレ支援のあり方も検討していきたい」(同区商工観光課)

 洗練された流行や文化を発信する街として変貌を図る渋谷という大舞台で、東コレが新たな一歩を踏み出した。

 「ヨミウリ・オンライン」(http://www.yomiuri.co.jp/collection/)では、各地のコレクションの様子を詳報しています。

2012年10月17日  読売新聞)

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