論説・あぶくま抄

あぶくま抄

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あぶくま抄(1月6日)

 新春の多幸を祈る祭礼が県内各地で相次いで催される。きょう6日午後には、郡山市の如宝寺で恒例の七日堂まいりが幕を開ける。境内にある馬頭観世音をまつる祭礼だ。
 「馬が駆けるように早く願い事がかなう」との願が懸けられる。夕刻以降の参拝が多い。翌7日までの二日間、例年十万人近くでにぎわうという。参道には、まさるやだるまといった縁起物が並ぶ。中でも、まさるは「昨年より福が勝る」との意味が込められ、買い求める人が列を成す。
 福島市飯坂町の西根神社と境内の高畑天満宮ではうそかえ祭が12日、始まる。主役は鷽[うそ]鳥の木製玩具だ。鷽がうそに通じることから、前年の凶事や災難をうそに替え新年を吉とする。大小さまざまな人形が災いの身代わりになり、幸運を招くとされている。会津地方では、起き上がり小法師[こぼし]が欠かせない。東日本大震災以降、復興のシンボルとして全国的にも有名になった。家族が増えるよう、家族の数より一個多く買うのが習わしだ。
 縁起物は神棚など一番大事な所に飾り、一年を通じ思いをはせたい。くじけそうになった時「魔が去り」、困難を「うそ」にし、「起き上がる」気持ちを強くしてくれる。

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