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(1)『残念な日々』 ディミトリ・フェルフルスト著

評・角田光代(作家)

(2)『残穢(ざんえ)』 小野不由美著
(3)『奇貨』 松浦理英子著

 年じゅう酔っぱらっている家族との日々を描いた〈1〉。自分の人生を獲得する、ということについて考えた。

 ある怪談に端を発し、土地と時代の暗部を巡る壮大な物語へと引っ張り込む〈2〉。私が今いる土地の下にはどんな歴史があるのかと震えながら考えた。中年男が女友だちと恋愛と無縁の同居生活をはじめる〈3〉。恋にも似た男の滑稽な執着を盗み見るように読み、恋とも友情とも分類されない関係を作ることは不可能なのかと考えた。

◆読書委員 この一年
 今年もいやいやながらフルマラソンを走りました。当日はまさかの雨。なんとか4時間56分で完走しました。来年も走ることはいやいやがんばりたいです。

2012年12月31日  読売新聞)

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