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130107恋愛・結婚

40代、仕事も趣味も充実。結婚は本当に必要?

今だけではなく、あらゆる未来を想定

 木村「もし由美さんが『絶対に結婚しない』と言い切れていたのであれば、現段階でこれ以上考えることはありません。しかし、そうではない以上、自分の決断に後悔してしまう可能性があると思われます」

 由美さん「だって、この先何が起こるか分からないじゃないですか」

 木村「だから、すべての可能性を考えておいてほしいんですよ。特に今回は、由美さんと彼の考え方が食い違っているので、『あのとき私があんなことを言わなければ』と後悔しがちですから」

 由美さん「分かりました。それで、何をどう考えればいいんですか?」

 木村「考える項目は、“彼との関係、精神面、健康面、金銭面、仕事、趣味、友人や同僚、家族”。これらを結婚した場合と、結婚しなかった場合の2種類で、それぞれどうなるか想定してみてください」

 由美さん「(疑いの目で)結婚するかしないかだけで、そんなに変わるとは思えないんですけど」

 木村「では、結婚した場合、結婚しなかった場合のそれぞれで、1年後、5年後、10年後、20年後の自分がどうなっているか、それぞれの項目から考えてみてください。冷静に考えるためには、エクセルなどを使って表にした方がいいでしょう」

 由美さん「何だか大変そうですね。仕事みたいで」

 木村「仕事と同等以上に重要なことではないでしょうか。大切なのは、“今の自分に都合のいい考え方をする”だけではなく、『もしこんな状態になってしまったら』という最悪の想定までしておくこと。さらに、プロポーズを断ってしまうことによって、彼が別の女性を探し始めるかもしれない、あるいは、彼と別れてしまうことも想定しておきましょう」

 由美さん「(納得がいかない様子)でも、彼はひょうひょうとしているタイプなので、そんなに変わらないと思うんですけど」

 木村「もし普段はそうだとしても、結婚を考えるときは、いつもと違う意識を持つと考える方が自然です。もし本当にひょうひょうとしただけの男性だったら、結婚を考えずに一人で暮らした方がラクではないでしょうか」

 由美さん「(まだ納得がいかない)そうなのかな……」

 木村「由美さんは、これまでの恋愛でも、『いろいろ考えたり、彼と話し合ったりしても、結局は自分の感性を押し通してきた』のではないでしょうか?」

 由美さん「(考え込んだあと)そういうところもあるかもしれませんね。だって無理しても、どうせうまくいかなくなるじゃないですか」

 木村「それが今までの由美さんです。今は毎日楽しいかもしれませんが、3年前、5年前、10年前はどうでしたか? 過去もずっと楽しかったのであれば、現状の考え方や行動パターンを続けてもいいでしょう。しかし、考え方や行動パターンを変えられたら、これまでとは違う人生が始まるかもしれません。どうしますか?」

 由美さん「分かりました。せっかく教えてもらったので、いろいろ考えてみます。これまで楽しいことより、辛いことの方が多かったし、幸せとは思えなかったので……」

 木村「由美さんはまだ40歳なのですから、平均寿命の半分も生きていないわけです。よく考えて自分にとって、最適な道を選んでください」

 由美さん「ありがとうございました。(相談が終わり、脱力した様子で)でも、結婚っていったい何なんですかね?」

 木村「結婚しなければ分からない感情や、体験できないこともあると思いますよ。たとえば、以前のような『夫が働いて妻が家を守って、子どもを育てる』というよりは、『互いの事情を踏まえて、生活スタイルや心のスタンスを決める』という夫婦が増えています。3組に1組が離婚する時代ですから、それくらい柔軟でなければ仲よくやっていけないのかもしれませんね」

 由美さん「そういうのも楽しいと思えればいいんでしょうね」

 木村「スピード結婚した夫婦の離婚が増えている一方、結婚してから一気に絆が深まる夫婦も多いんですよ。100%でなくても、それなりの気持ちがあれば、結婚してみるというのもひとつの選択肢でしょう」

 ――2月の両家顔合わせこそ見送ったものの、その半年後、二人はめでたく入籍。決め手となったのは、彼の意外なひと言だったようです。

 由美さん「彼に『そんなにオレが信用できないのか?』って怒られたんですよ。『仕事や趣味もやりたいだけやればいいし、もし望むなら別々に住んだっていい』とまで言ってくれました。何より『あんな一面もあるんだ』と驚いたし、『これなら結婚生活も楽しめるかも』と思えたんです(笑)」

 今回のテーマは、結婚願望が薄れたときの考え方

 由美さんのように、「40代に入って結婚願望が落ち着いた」という女性は意外に多く、特に仕事やプライベートが充実している人ほど、結婚という形を選びたがらないものです。

 ただし、彼からプロポーズを受けたのであれば、真摯に向き合って誠意ある返事をするべき。男性にとってプロポーズは勇気のいることですし、もし断るとしても感謝や愛情をしっかり伝えて、できるだけ今後の関係に影響が出ないようにしましょう。

 また、それ以前に「本当にプロポーズを断っていいのか?」、自分自身で考えておくことが大切です。今の自分にとってだけ都合のいい考え方をするのではなく、数年後、数十年後に渡って、さまざまな想定をしておきましょう。あなたがもし「私は感情的なところがある」、あるいは「マイペースな性格」と思っているのであれば、長い目で考えた方がいいのです。

 年末年始は、家族や友人たちと会う機会が多いだけに、プロポーズを決意したり、「やっぱり私はまだいいや」と思ったり、結婚願望が上下しやすいタイミング。二人の意思が合えばいいのですが、由美さんのように食い違ってしまったカップルは、お互いの心境を考えながら、話し合ってほしいと思います。

2013年1月7日  読売新聞)
プロフィール
木村 隆志  (きむら・たかし)
恋愛・結婚・人間関係コンサルタント/コラムニスト。名古屋の巨大式場でウエディングプランナーのキャリアを積んだのち独立。ティーンから更年期世代まで、幅広い年齢層の相談を受け続け、コンサル数は通算5000組を突破。各メディアへの執筆にも精力的で、著書は「告白女(コクジョ)〜運命を変える告白術51〜」「好感度がアップする プラスひと言会話表現605」「トップインタビュアーの聴き技84」、最新刊「友活はじめませんか? 〜30代からの友人作り」「恋のリトマス試験紙」(共著)発売中。ご相談などは、『恋愛コンサル.net』まで。

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