ニジマスからヤマメが…東京海洋大学で実験成功凍結保存したヤマメの精巣の細胞を使って、近縁種のニジマスの体内で卵子と精子を作り出し、これを受精させてヤマメを誕生させることに成功したと、東京海洋大学の吉崎悟朗教授(46)らの研究チームが発表した。 絶滅の恐れがある種を、将来の復活に向けて凍結保存できる可能性がある。チームは、田沢湖(秋田県)で絶滅後に西湖(山梨県)で再発見されたクニマスなどの精巣の凍結保存にも着手した。 サケ・マス類など魚の一部では、精巣の細胞を稚魚に移植すると、その稚魚の性別に応じて卵子や精子に育つことが、同チームの研究で分かっている。そして、ニジマスの精巣の細胞をヤマメの稚魚に移植する「借り腹」によって、ニジマスを誕生させる実験にも成功していた。 今回は、ヤマメの精巣を54日間、凍結保存した後、以前とは逆にニジマスの稚魚に移植。ヤマメの卵子や精子がニジマスの体内で成長し、受精させるとヤマメが生まれた。長期間の凍結保存が可能なこともニジマスで確認しているという。 (2013年1月15日11時37分 読売新聞)
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