【電子書籍の時代 イーブックジャパンの挑戦】(8-1) (1/3ページ)

2013.1.11 05:00

電子書籍配信サイト「イーブックジャパン」のトップページ。マンガを中心に約8万2000点の電子書籍を配信している

電子書籍配信サイト「イーブックジャパン」のトップページ。マンガを中心に約8万2000点の電子書籍を配信している【拡大】

 ■シームレスな読書環境を実現

 ◆16年度に市場規模2000億円も

 電子書籍の市場規模は2011年度こそ629億円と微減だったが、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末の急速な普及に後押しされて拡大基調にあり、16年度には現在の3倍を超える2000億円の大台に乗るとの予測もある。

 モバイル端末で読書を楽しむ人を街のあちこちで見かけるようになり、電子書籍の認知も広がった。しかしインターネットの接続環境が整ってきたのは、この10年のこと。インターネットの普及を見据えて00年に創立、電子書籍配信の事業化にいちはやく乗り出し、一貫して取り組んできた企業がある。電子書籍配信サイトの「eBookJapan(イーブックジャパン)」を運営するイーブックイニシアティブジャパン(東京都千代田区、社長・小出斉(ひとし)氏)である。

 昨年末の登録会員数は約74万人。ここ3年で倍増した。売り上げの伸びも順調で、11年度は前年度比82%増の21億7700万円。11年、東証マザーズに上場を果たしている。

 イーブックジャパンが扱っている電子書籍は約8万2000点。そのコアとなるのが「マンガ」の配信で、6万冊を超える配信点数は業界トップだ。サイトには、男性向けや女性向け、直近の話題作から昭和の時代の懐かしいマンガまでずらりと並ぶ。紙の書籍と違って品切れがなく、欲しい作品を全巻そろってまとめ買いをする人も少なくない。