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【基礎からわかる「核問題」】核爆弾2万7000発の分布は?

 核問題を専門とする米国の民間研究組織「天然資源防衛会議」の推計によると、核爆弾の数は、1986年に国連安保理5常任理事国合計で約7万発に達したのをピークに、冷戦終結後の米露核軍縮の流れを受けて減少を続け、現在は約2万7000発。国別では、米国が約1万発、ロシア約1万6000発と群を抜く。安保理常任理事国以外はインドとパキスタン(いずれもNPT非加盟)が保有し、核保有を肯定も否定もしていないイスラエルは、60〜80発とみられる。

 北朝鮮については、核爆弾5個〜15個分のプルトニウムを抽出済みとの見方を示している。このうちどれだけの量を、起爆装置を取り付けた核爆弾の形にしているかは不明だ。

 核開発の歴史は、第2次世界大戦末期の45年7月、米国が実施した世界初の核実験から始まった。4年後の49年には、ソ連が核実験を成功させた。英国、フランスが続き、中国が64年に初の核実験を成功させたことで、安保理常任理事国5か国すべてが核兵器を保有することになった。

 米ソが核軍拡を競った冷戦中の74年、インドが初の核実験を実施。冷戦終結後の98年には、インド、パキスタンが相次いで核実験を行った。イスラエルも秘密裏に核開発を進めたとされており、事実上の核保有国は8か国とされる。

 この間、南アフリカ、ブラジル、アルゼンチン、リビアが地域・国際情勢の変化などを受けて核開発計画を断念している。



2006年10月21日  読売新聞)

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