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芸能
名優たちには、芸にまつわる「金言」が数多くある。映画史・時代劇研究家の春日太一氏が、その言葉の背景やそこに込められた思いを当人の証言に基づきながら掘り下げる。今回は、ドラマや映画のほか、朗読などでも活躍する俳優・橋爪功の金言を紹介する。
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橋爪功の主演最新映画『東京家族』が公開中だ。役どころは一家の長である周吉。自らの想いを表に露わにしない不器用な気質の持ち主で、そのために家族に気難しく思われてしまう……そんな昔堅気の老人の苛立ちや哀しみを、橋爪はふとした表情や間によって表現している。
「事前に家とかで声を出して台詞を読んじゃうと、その音の強さが耳に残る。それって意外と抜けにくいものなんです。『ここでこんな芝居やりてえ』という役者根性が出る時は、特にね。
音が一度でも入ると、もう現場で自由がきかなくなる。監督から『今の台詞のところは間を空けて』とか、『もっとゆっくり喋って』とか言われたら、事前に準備していると何もできなくなるんです。組み立てていたものが壊れるわけですから。
だから、事前に役柄を組み立てることはしません。相手役と一緒にセットで芝居しながら、という感じですね。先に自分で芝居を作りあげていくと、相手役が入り込めなくなっちゃう。芝居って、なまものなんです」
※週刊ポスト2013年2月1日号
主役も脇役も幅広くこなす橋爪功 事前に役柄を組み立てない
2013.01.25 07:00