生活保護205万人ー2課題 湯浅誠 反貧困ネットワーク 字幕

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Uploaded by on Jan 9, 2012

2011年7月、生活保護の受給者数は205万人と、1950年の現行制度発足以来、最高となった。生活保護と言う制度は常に批判にさらされてきた。ポイントは大きく2つ­の点に集約できる。(反貧困ネットワーク事務局長:湯浅誠)
制度への批判 ①「ムダ」の問題 ②「甘え」の問題
①は制度を悪用する人の問題 ②制度そのものの問題と言える

ムダの問題については、生活保護費の半分以上を占める医療費の1/4は、精神疾患を持つ生活保護受給者の入院費。これに約3000億円以上が使われている。
日本の精神医療は「先進国」中、入院患者の比率が高いことで有名です。諸外国同様に退院促進が進めば、生活保護医療費も大幅に削減される。
また、引き取り手のいない単身高齢者の「社会的入院」など、地域福祉の貧困が医療費の増大をもたらしている面が大きく、多分に改善の余地がある。
 
また、「甘えの問題」とされていることについては、雇用崩壊による、低所得化と、現役世代におけるセーフティーネットの不在が問題といえる。
増えているのは生活保護だけではなく、それより多少収入の高い子育て世代への就学援助制度の受給者数もこの10数年間で倍増している。
働いても家計を回すだけの収入が得られず、様々な公的支援制度に頼らざるを得ない家庭が増えている。現在の受給者数は、よく高度経済成長期前の受給者数と比較されるが、当­時は過半数が働ける世代であり、生活保護はワーキングプアのための生活保障制度である。この方たちが生活保護から抜け出ていった原因は、高度経済成長期の賃金上昇だった。­したがって、もう一度高度経済成長が起これば、放っておいても働ける世代は抜けていく。しかし、もはやそれは期待できず、むしろ雇用の非正規化不安定化が拡大しています。­高度経済成長期前のような雇用状況を一方で作っておいて、他方で雇用により解決すべきというのは、矛盾している。
雇用状況の劇的な改善が望めないのであれば、働く世代のセーフティーネットを強化するしかないだろう。
「雇用もダメ」「セーフティーネットもダメ」と言うなら、扶養してくれる家族もいないこの人たちは、死ぬしかない。
北九州市の餓死事件は、そうして起こった。
「おにぎり食べたい」という日記を残して亡くなった男性の話は、ニューヨークタイムズの一面を飾り、私たちは情けない思いをした。
再び世界から笑われたくなかったら、どこかで人々の生存を確保せねばならない。
現在、非正規労働者の雇用保険、社会保険の加入要件緩和が検討されており、雇用保険を受けられない人たちに対しては、休職者支援制度と住宅手当てという政策がある。
休職者支援制度と住宅手当ては両方を合わせれば、15万円程度になり、生活保護から抜けることが可能です。
しかし、現在は両者の併給が認められず、また、住宅手当ては来年度で打ち切ると言われている。生活保護を減らしたいと言いながら、政策的には増やす方向で誘導している。本­末転倒といえる。
そもそも日本には、現役世代のセーフティーネットがほとんど存在せず、現役世代の所得再分配機能は、格差社会の王様のように言われるアメリカよりも弱い。
子育て、教育、住宅費用の自費負担がとても高く、それなりに高い賃金を得なければ、高い家計支出に対応できない構造になっていて、だから低所得の親は、子どもに充分な教育­機会を与えられず、親の経済格差が子どもの教育格差にストレートに反映するようになっている。
それは、機会不平等による貧困の連鎖をもたらすだけではなく、経済的不安から結婚できない若者を増やし続けてにいる。中間層の崩壊が貧困層の増大をまねき、少子化に拍車を­かけ、財政を圧迫しています。生活保護の問題はこのような社会のありかたの、全体の一環なのであり、生活保護の制度疲労問題とは、実際には企業と家族に頼って、現役世代の­社会保障を行ってこなかった、日本型福祉国家の制度疲労問題である。生活保護だけを見ていても、生活保護の問題は分からない。 以下略

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  • 湯浅さんには本当に感謝しています。

    湯浅さんの書いた「生活保護申請マニュアル」のおかげで、生活が­­救われました。

    

    福祉事務所が生活保護を受けさせないように追い返す行動に驚き、­喧嘩ま­でしましたがこの本のおかげで無事生活保護を受けられま­した。

    法律が重要と気づいたので、今では法律も勉強しています。役所の­­人たちも散々文句言うわりには、法律にはどうも逆らえないよう­で­した。

    本当ありがとうございました。

  • よかった。立場の弱い側としては、心強い見方ですね、湯浅誠さん­は。

    しっかり法も生きるための武器にしましょう!

    社会保障は国家の責任で、生活が成り立たない時は、生活保護を受­けるのは権利なのですから。

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All Comments (20)

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  • あからさまに申請させないという CW が、まだいるんですね? どんどん告発してください。 ただ「他法他施策を保護より優先させなさい」という考え方も あります。(今は、相談=申請になってるみたいですが。) それを悪用して自分の仕事を増やさないようにする CW が いるなら大問題です。 ケンカ腰にならず、担当者が何を言おうとしているのかを冷静、 かつ客観的に捉えるようにしてください。 全ての CW が悪意を持って相談を受けている訳ではありませんから。 あとビデオカメラより、IC レコーダーの方が長時間記録できるし 目だたないから隠し撮りも楽じゃありませんか?
  • 正論だ。ケースワーカーの経験がなければ、ここまでのコトは 語れないくらい。ただ追加するとすれば「なんとか生活保護 だけは受けたく­ない」と頑張ってきたヒトたちでも、一度保護を 受給すると「なんとか働かず­に生活したい」という堕落した考え­に 陥ってしまう。だって仕事より生活保護の方­が楽なんだから当た­り前。 ケースワーカーも1ヶ月に一度来るか来ないかだし。 特に NPO 法人がホームレスなどの大量申請をしたため、新規の 申請受付と調査で現在、現場は危機的状況に陥っている。 病状聴取、就労指導、不正受給の調査、家庭訪問さえ事実上不可能­。 その責任は、 NPO 法人がキチンと取って欲しい。 生活に困ってる人を福祉事務所に押し付ける程度ならヤクザにだっ­て できる。 ぜひ義憤に駆られるメンバーは福祉事務所に出向してきて欲しい。 もちろん役所の給料でサービス残業込みで。 そこまでできたら、あなたたちを評価する。
  • わざわざ返信してくれてありがとうございます^^

    生活保護を受けたのはもう数年前で今はもう受けていないんです。

    ただし!次ぎ受けるときは、福祉事務所の態度(おそらく違法行為­)をビデオカメラで隠し撮りし、明らかに違法な場合はこの記録を­テレビ局に送ったり、ネットに流そうと思っています。おそらく大­問題になると思います。問題にすることで他の貧しい人たちが、少­しでも生活保護を受けやすくなればいいと思っています。

    

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