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高橋尚子 視聴率59・5%6000万人クギ付け

マラソン シドニー五輪

2000年シドニー五輪女子マラソン、高橋尚子が両手を上げて歓喜のゴール
2000年シドニー五輪女子マラソン、高橋尚子が両手を上げて歓喜のゴール
Photo By スポニチ

 2000年9月24日、日曜の朝。テレビ朝日の視聴率はうなぎ上りに上がっていった。シドニー五輪女子マラソン。画面には高橋尚子の快走が映し出されている。中継が始まった午前6時45分から視聴率はグングン伸びた。20%台前半からスタートした分刻み視聴率は、28分後、早くも30%台に到達。高橋、市橋有里、リディア・シモンの3人がトップ集団から抜け出した8時26分に45・6%となった。

 北半球の日本から送られてくる声援を背に受けて高橋がスパートする。サングラスを右手で投げ捨てた。小刻みなアップダウンの続く35キロ手前。沿道に父・良明さんと兄・哲朗さんの姿を見つけた高橋は2人の「尚子!」という声に呼応した。前日、小出義雄監督が何度も走って決めたポイントでの勝負。強敵シモンがたまらず後退した。

 鼓膜を震わせる大歓声が待ち受けていたスタジアム。両手に力を込め、グイッと天に突き上げてゴール。必死の表情は一瞬で笑顔に変わった。日の丸の旗を肩にウイニングラン。「監督がいない…」小出監督を探し始めた時、ヒロインの目に涙が浮かんだ。最高視聴率を記録したのはこの瞬間59・5%。日本女子陸上界で初めての金メダル獲得が、約6000万人の目をクギ付けにした計算になる。

 「シモンさんは強いと分かっていたのでトラックまで行きたくなかった。競技場では“逃げろーっ”と思って走った。凄く楽しい42キロでした」大会前、高橋は標高約3500メートルの米ロッキー山脈で強い心肺機能をさらに鍛えた。金メダルは自分の夢、そして恩師・小出監督の夢だった。「金メダルか世界最高。私がこの時代に生きていた証が欲しい」という思いもあった。日本のスポーツの歴史に輝ける1ページをしるしたヒロインは底抜けに明るい笑顔でこう言った。

 「早くおいしいものを食べたい。お寿司にパスタ…」

 6000万人がQちゃんを大好きになった。

[ 2012年2月11日 ]

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