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【10月1日】2010年(平22) 中日 56年ぶりの“スタイル” 落合監督 大はしゃぎで解禁

落合博満
信子夫人(左)とともに日本酒をたるごと浴びせられる落合博満監督
Photo By スポニチ

 阪神・金本知憲左翼手のバットが空を切った。午後8時42分、マツダスタジアムの広島―阪神22回戦は試合終了。広島がソリアーノ投手の完封で5―0で快勝した。その瞬間、ナゴヤドームの選手サロンでは中日ナインがテレビ中継を見ながら、「オーッ!」と雄たけびを上げ、選手同士が誰構わず抱き合った。

 2位阪神が敗れたことで、中日の4年ぶり8度目のリーグ制覇が決定した。試合をせず、いわゆる相手待ちのリーグ優勝は、87年(昭62)の巨人以来、23年ぶり。中日にいたっては初優勝した、54年(昭29)以来、56年ぶりのこと。56年前は、西鉄を破り初の日本一になったシーズン。球団関係者は「これは縁起がいい」と、その先の戦いに明るい希望を見出していた。

 試合のなかったドラゴンズナインは、練習後に本拠地で待機。阪神の結果を待ち、チームメイトが集まって一緒に待望の瞬間の時間を共にした。一方で落合博満監督は、名古屋市内の自宅で試合の模様をテレビ観戦。優勝が決まると、信子夫人、長男の福嗣さんを伴ってドームにやって来た。

 グラウンドに出て胴上げ、と思いきや、指揮官は言った。「あした。ナゴヤドームに来てくれるお客さんの前で、勝ち負けに関係なくやる」。2日はシーズン最終戦となるヤクルト戦が控えていた。無人のスタンドで宙に舞うより、ファンが夢見たシーンをお見せする。クールに見えて落合監督は誰よりもファン思いだった。

 その代わり始まったのが、歓喜のビールかけ。一時首位から8ゲーム差をつけられた中での逆転Vの喜びはひとしお。落合監督も樽ごと日本酒を浴び「1年分酔っ払ったよ」と大はしゃぎ。終始ご機嫌だった。

 落合監督の言葉は決して大げさではなかった。元日のことだった。監督が新年のおとそを飲もうとした時、福嗣さんが「今年は優勝するまで禁酒したら?」と提案した。息子の進言を取り入れた監督は、以後一切アルコールに口をつけなかった。前年までは信子夫人を相手に晩酌をするのがささやかな楽しみだったが、飲まないと決めてからは一滴も飲まなかった。福嗣さんとビールをかけ合いながら、ようやく解禁となったこの日の酒は、落合監督にとって格別の味であった。

 「ウチに力があるというのなら、それはどこのチームよりも練習しているから。積み上げた練習の量があるから、(就任して)7年間チームを作くってきたから、9月の勝負時に勝てた」と落合監督は、いつになく誇らしげだった。

 そして2011年。10月1日現在、首位ヤクルトを猛追して、昨年同様逆転優勝が可能な位置まできた。泣いても笑っても、落合監督は11年のシーズン限りで中日を去る。逆転優勝なら、まさに8年間の集大成。かつてドラゴンズの監督で成し遂げたことのない3度の優勝に、さらにもう1つ勲章が加わるか、戦いは続く。

[ 2011年10月1日 06:00 ]

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