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プレッシャー対策で始めた「坐禅」 野球人生最高のトレーニング

 1週間のご無沙汰です。どうも〜、下柳です。キャンプインの思い出を先日書かせてもらったと思ったら、もう3月ですか。早いよね。

 2月末にはDeNAの宜野湾キャンプへ行ってきた。大きな目的は中畑清監督のインタビュー。面白い話しをたくさん聞かせてもらったんやけど、中畑監督にはどうしても言いたいことがあった。実はオレ、去年の優勝予想をDeNAにしとったの。シーズン中、中畑監督に会うたびに「監督、頼みますよ。オレに恥かかさないでください」って…。

 結果は5位。先日のキャンプ取材では「シモ、今年は楽しみにしといてくれ」って。そのインタビューの模様は朝日放送の「虎バン」でたっぷりお届けさせてもらいます。スポニチアネックス読者のみなさんも、楽しみにしといてください。

 さて、今回は坐禅について書かせてもらうことにしますわ。おそらく、「下柳と坐禅」が結びつく人はほとんどおらんやろうね。オレが初めて座禅と出会ったのは35歳のとき。日本ハムから阪神へ移籍した年やった。

 実はオレ、移籍後初めての宜野座キャンプで、あまりの観客の多さにただただ圧倒されとった。なんせ、2002年まで所属していた日本ハムの名護キャンプなんか、スタンドの人数を数えられるぐらいやったからね。近くの幼稚園の子供たちが見に来てくれて「頑張れ〜」なんて応援してもらったりして。こっちも「ありがとさ〜ん」って大声で応えられるような牧歌的な雰囲気やったけど、阪神は180度違ったよね。

 キャンプでさえこんな状態やから、シーズンも推して知るべし。満員の甲子園、あるいは東京ドームで投げている自分を想像しただけでも、緊張を通り越して恐怖を感じていた。

 プレッシャー対策を教えてもらうべく、日本ハム時代から面識のあった福島大学の白石豊教授に連絡を取ることにした。阪神と日本ハムの環境の違いをいろいろと相談していたら、先生からはこう言われた。

 「シモ、坐ってみなさい」

 初めは長く坐れなくてね。イライラして集中できなかったり、いろいろな雑念が浮かび上がってくることもあった。「アカン、雑念を抑えよう」と焦れば焦るほど、かえって変なことを思い浮かべてしまったり…。そこで教わったのは、古代から伝わる「数息観(すそくかん)」というテクニックだった。

 まず、自分の呼吸を数えてみる。10まで数えたら、また1から繰り返し数える。それでも雑念は出てくるんだけど、無理に消す必要はない。何かの本でもこんな風に書いてあった。

 「暴れる猫を寝床に入れようとしても絶対に入らない。入れようとすればするほど、もがく。だから、放っておけばいい。しばらくすると、自分から入って行く」

 そう、雑念が出てきても、ただ放っておく。そのうち、慣れてきたら、息を吐くことだけに集中できるようになる。やがては吐く息さえ気にならなくなるし、自分の呼吸音だけを聞くでもなく聞いているというかね。これが、言うところの「無」の境地なんやろう。

 坐禅というのは、ただ静かなところであればどこだっていい。楽な格好になって背筋を伸ばす。そして、坐って目を閉じる。作法は関係ないんや。数分、坐って心を見つめてほしい。雑念を消し去る日々を続けていけば、自分にとって必要なものと不要なものの違いが驚くほどはっきりと見えるようになる。そうなれば、大事なことだけに専念できるような生活を送ることができるんじゃないのかな。

 阪神という人気球団、つまり大観衆の前で平常心を保てるようになったのは「坐禅」のおかげだと断言できる。大舞台でも心を整えられるようになったのは、オレにとって本当にありがたかった。だからこそ、野球人生で一番役だったトレーニングは何ですか?と問われると、オレは「坐禅です」と即答している。試合前は必ずロッカーで坐って、呼吸を整え、意識をへその下の丹田に落としてからブルペンへ向かうのがルーティーンだった。オレにとって、最高のトレーニングだったよね。

[ 2015年3月2日 ]

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