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下柳流イメトレ 試合が終わった夜から次の戦いは始まっている

ソフトバンク宮崎キャンプで松坂と話をする下柳氏
ソフトバンク宮崎キャンプで松坂と話をする下柳氏
Photo By スポニチ

 スポニチアネックス読者のみなさん、どうも〜、下柳です。

 相変わらず、寒い日が続きますが、プロ野球のキャンプは話題も豊富ですな。先日も宮崎でソフトバンクを見てきた。中でも気になっとったのが、メジャーリーグから9年ぶりに日本球界復帰を果たした松坂大輔。話しをすることができたから、また別の機会に、いろいろと書かせてもらうことにしますわ。

 さて、今回のテーマはイメージトレーニングについてですな。読者のみなさん、特にスポーツの経験がある方なら耳にしたことがあるでしょう。一見、ただ単に「イメージするだけでしょ」と思われとるかもしれんけど、これが以外と大変でね…。手軽でもなんでもなく、オレにとっては過酷な練習メニューの一つやった。

 時系列をおって、オレの現役時代に行っていた「イメージトレーニング」を紹介していくことにしますわ。

 実は試合が終わった日の夜から、もう次の登板へ向けての「イメトレ」は始まっていた。勝っても負けても、試合の結果は関係ない。その一戦に登板できたということに対して、関わってくれたすべての人へ感謝する。心の中で「ありがとう」という言葉をつぶやいてね。

 登板した翌日から、次に登板する当日までは相手チームに関する情報収集を徹底的にやっていた。新人も含めて1軍で試合に出ている打者の情報はきっちりとインプットしていたから、頭の中で1人1人と対戦していく。そこで大切なのは完ぺきに抑えているシーンを思い描くことやね。それも毎日。

 もう少し、具体的に書くと、最初に次に登板する球場のマウンドを映像化する。幸い、ダイエー、日本ハム時代は地方の遠征も多かったから、阪神移籍後に一度、金沢で先発したときも、パ・リーグ時代の記憶を引っ張り出して、しっかりとマウンドをイメージすることができた。

 マウンドの映像化で言えば、遠征先では練習開始前に、実際のマウンドへ立つことも日課にしていた。そこからの風景を確認しておくだけで、全然違う。たとえば、ホームからバックネットまでの距離感を確認したり。球場によって遠近感が違ってくるから、当然と言えば当然やけど。

 脱線しちゃったので、下柳流「イメトレ」に話しを戻しますわ。マウンドを映像化したあとは、打者のいない打席に向かい全球種を投げる姿をイメージしていた。

 その次に、審判の「プレーボール」というかけ声から、相手チームの1〜9番との対戦をイメージしていくんや。相手打者のクセ、得意ゾーン、苦手ゾーンを一つ一つ丁寧に思い出していきながらね。もうこれは、本番そのもの。配球もきっちりと組み立てる。

 「インコースへシュートを投げたから、次は外へのスライダー。最後はフォークで三振を狙う」。やっぱり、より具体的にイメージする方が良い。打ち取る様を頭の中で鮮明に描き、その作業を打者一巡するまで続けていく。全員を抑えられるようにね。

 試合当日、それも登板直前のブルペンでもイメージトレーニングは継続していた。捕手に投じる前に、自分の理想的な投球フォームを映像化する。加えて、捕手が構えたミットにイメージ通りのボールを投げることをイメージする。それから実際の投球を行っていた。

 試合になれば投球動作の秒数が制限されているから実際のマウンドで同じようなことはできないけど、それでもサインが決まれば、捕手のミットへ吸い込まれるイメージだけは思い描くようにしていた。

 こういう地道な作業があったから、現役引退した今でも対戦した12球団の打者の構え、球場の特徴はすぐに思い出せることができる。もちろん、オレの投球を受けてくれていた捕手の構えもね。 イメージトレーニングを行っていたことにはもちろん、明確な理由があった。イメージトレーニングにはうまく使えていない筋肉や神経の力など、オレのイメージ通りに整えてくれる効果があった。そこで何が変わるのか。オレの場合、格段に制球力が上がった。メンタル面に目を向けても、試合での落ち着きが違うよね。緊張が和らぐというか。だって、何度も何度も頭の中では、その試合をイメージしているわけやから。オレが阪神へ移籍して続けて2ケタ勝てるようになったのは、このイメージトレーニングが大きな要因だったと思う。周りから見て、サボっとるように見えるのが、玉にキズやったけどね(笑)。

[ 2015年2月16日 ]

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