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「意思を伝える」ブルペンも一緒の“コミュニケーション術”

 どうも〜。スポニチアネックス読者のみなさん、いかがお過ごしですかな。下柳です。

 さる8月18日、後楽園ホールにて、オレの古くからの友人で、元プロレスラー垣原賢人君を励ます「垣原賢人 応援大会〜カッキーAID〜」が行われました。垣原君は現在、闘病中なんやけど、「Uの青春〜カッキーの闘いはまだ終わらない〜」という本も出版しました。素晴らしい内容なので、一人でも多くの方に読んでほしいと思っています。

 さて、今週はコミュニケーションをテーマに書かせてもらいます。野球界に限らず、コミュニケーションについて悩みのある方は多いんやないのかな。オレも得意ではない一人。ただ、仕事というか野球を通じて、オレなりにコミュニケーションの鉄則というものは持っている。

 野球にあてはめて考えてみると、分かりやすいのは投手―捕手、つまりバッテリーにおけるコミュニケーションの取り方やろうね。当欄でも何度も書いているように、オレは阪神移籍後、矢野燿大という素晴らしい捕手との出会いがあった。互いの胸の内をわかり合えていたし、揺るがぬ信頼関係があった。05年に最多勝を取れたのも、矢野ちゃんのリードがあったからこそや。

 ただ、それとて、簡単にできたことやない。そこに至るまでのプロセスには、それなりの時間が必要やったと思う。いうなれば、受けてもらった球数が作り上げたというのかな。大切なのは、ブルペンで受けてもらった投球数。そして、こちらが伝えた思いの数。それにより、初めて互いの考えやクセを理解できるようになっていったと思う。

 実際、阪神に移籍した当初は日本ハムでの同僚だった野口と組んでいたからね。そんな中、矢野ちゃんは「どうすれば、シモの良さを引き出せるか」ということを常に考えてくれていたんだと思う。試合に出ていない時でも、チームのため、投手のためにできることはいろいろある。矢野ちゃんはそういうことを感じさせてくれる、キャッチャーやった。

 仕事と同じで、野球も共同作業のスポーツ。自分一人で勝てるわけがないからね。だから、投手は捕手の意図をしっかり感じながら投げなければいけないし、逆に捕手はサインにこめられた意図をきっちりと投手に伝えることができないといけない。お互いのことを理解し、気持ちが一致して初めて打者を抑えることができると思う。

 そういう背景があるから、経験が乏しい若い捕手とバッテリーを組むときは、オレはこんな風に声をかけていた。

 「サインに正解か不正解かなんてものはない。経験もないのに、考えて分かるわけがないやろう。間違ってもエエから、オレにお前の意思を伝えてこい。それも言うだけじゃなく“ストレートが欲しい”“コースを狙ってください”とジェスチャーで示してくれ」

 受けた球数がバッテリーの信頼関係を強くしてくれるのだから、オレは若い捕手にブルペンで投手の球を受けることを言い聞かせた。「とにかく、ブルペンが大事やぞ」とね。

 ビジネスの世界も同じやないのかな。嫌われるのが嫌で最低限のメールで済ませたり、上司からの叱責を恐れて、報告や相談を怠ることはないだろうか。

 たとえ、その答えが不正解でも良いと思う。それよりも自分が思ったことを伝えることの方が重要なんやないかな。それにより相手は別の提案もできるし、互いの腹のうちが分かれば、意見が違っても決してトラブルに発展することはないだろうから。では、みなさん、また来週!

[ 2015年8月24日 ]

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