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目からうろこのメンタルアドバイス、「秀太グラブ事件」も実は…

 1週間の御無沙汰です。どうも〜、下柳です。スポニチアネックス読者のみなさん、いかがお過ごしですかな? 

 さて、今週も前回に引き続き、メンタルアドバイスでお世話になった福島大・白石豊教授との思い出話を書かせてもらうこととしますわ。

 日本ハム時代の晩年からアドバイスをいただいていたけれど、阪神へ移籍してからは個人的な指導を受けるようになった。そこでセ・リーグの観客対策について相談させてもらって。特に阪神―巨人戦なんか想像しただけでも、かなりのプレッシャーがあったから。オレから「心がざわざわするんです」と伝えたら、白石先生からは「じゃあ、ちょっと5分間目を閉じて坐ってみてください」と言われて。

 阪神へ移籍して心機一転というのもあったし、何とかチャンスをつかみ取りたいという気持ちもあった。何度か坐禅に取り組ませてもらったら、白石先生から「かなり早く坐れるようになりましたね」と褒めてもらえて。後日談やけど、先生もたくさんのアスリートを指導してきて、「坐れ」とアドバイスしたのはオレが初めてやったらしい(笑)。

 もう一つ、白石先生から指導してもらったのは、感情のコントロールについてやね。それまでのオレは熱くなってついつい審判にクレームをつけたり、味方野手に文句を言ってしまうようなこともあった。

 「怒りの感情はパフォーマンスに悪影響を及ぼすだけですよ。また動揺していることが相手チームに伝われば、それだけで隙につけ込まれてしまいますよ」

 白石先生にそう指摘してもらって、まさに目からうろこやったね。以降は常に冷静な気持ちでプレーするために、いろんなことを変えていった。それこそ日常生活から見直してね。表情であったり、姿勢であったり、歩き方であったり…。それこそ目線も変えるようにした。そういう野球以外の外側の振る舞いからコントロールしなければいけない。オレは一切の喜怒哀楽をマウンドでは見せないことを固く誓い、努力することにしたよ。

 そんなオレの努力に応えるように、先生も努力してくださって。オレが登板する試合は毎試合HDDで録画して、投げ終わるたびにアドバイスを送り続けてくださった。当コラムの読者の方も記憶にあると思うけど、阪神へ移籍してからのオレはひょうひょうと投げていたでしょう。日本ハム時代まではそれこそ「激情家」と呼ばれていたのに。前に書いた「秀太グラブ事件」やって、頭は冷静で意図的にやったパフォーマンスやったからね(笑)。

 最年長最多勝を獲った2005年も、白石先生に導いてもらったよね。確か春季キャンプ前の1月やったかな。先生とタイトルの話になって。オレはそれまで一度も獲ったことがなかったから「最多勝を獲りたい」と先生に正直な気持ちを伝えた。すると、先生からは、こんな風に言葉をかけられた。

 「シモ、願わなければ叶わないよ。でも、思っているだけではダメ。そのためにこれから毎日何をしなければいけないのか。ここで経過の目標を立ててほしい」

 白石先生からは五輪選手がよく使っていたというアファメーション(最終目標と経過の目標を紙に書き、イメージすること)という目標達成技法を少しアレンジして教えてもらった。あえて経過の部分を詳しく書くことはしなかったけれど、最多勝という最終目標がはっきりしていたから、そこに向かって何をすべきか、ということはイメージできたし、実際の行動にも移せたと思う。

 その一つが、すべてをシャットアウトして坐るということやった。それこそデートがある日でも自宅に帰ってまず、坐っていたからね。そうやって過ごしたシーズンやったから、最多勝を手にした瞬間は本当にうれしかったよ! では、また来週会いましょう。

[ 2015年11月16日 ]

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