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2軍Vかかった一戦「最後は矢野ちゃんのミットで」魂込めてK締め

 どうも〜。下柳です。1週間のごぶさたです。

 いよいよ日本シリーズが開幕しましたな。しかも、オレにとってはどちらも古巣にあたる阪神―ソフトバンクという組み合わせ。阪神は9年もお世話になって、一緒にやったメンバーがたくさんおるし、ホークスも仲の良い人間がたくさんおる。このコラムを書いている時点で、甲子園の2試合は仲良く1勝1敗。外から見るオレとしては、本当に複雑な心境やわね。

 阪神は先週も書いたけど、巨人相手にCSファイナルステージで破竹の4連勝。一方のホークスは競った、厳しい試合の連続をくぐり抜けてきた。しかも、監督の秋山さんはこれを最後に勇退する…。「秋山さんを男に!」という強い気持ちがあるやろうから、モチベーション的には向こうの方が上かもしらんね。

 秋山さんとは1994年から2年間、ダイエーで一緒にプレーさせてもらった。人格者というか本当に良い人でね。それよりも違うチームにいることの方が多かったから、対戦するのも凄く楽しかった。やっぱり強打者との対決は、自然とこちらも燃えるから。

 こうやって書いていくと、どちらを応援するかは本当に難しいよ。うーむ。でも、3戦目以降の試合展開としては乱打戦が良いよね。なぜかって? ホークスの藤本博史打撃コーチには、本当に良くしてもらっている。点が入れば入るほど、藤本さんの顔も立つやんか! 

 さてさて、今回も矢野ちゃんとの思い出を書かせてもらいますよ。3週連続で同じテーマは当欄では初めてやけど、やっぱりバッテリーを組んでいたからいろいろ思い出もあるんだよね。

 すごく印象に残っているのは、矢野ちゃんが現役引退した2010年。まさに、矢野ちゃんが引退会見をしたその日やわ。鳴尾浜で矢野ちゃんから「ちょっと捕らせて」って来てくれて。オレはオレで「それやったら、試合形式で2、3人いこうか」となった。

 最後は右バッターを想定して投げてね。カウントが3ボール2ストライクのフルカウントになった。勝負の6球目。矢野ちゃんからのサインは「インコース真っすぐ」。そうそう、オレもそれを投げたかったんや!みたいなね。

 オレもやっぱり、矢野ちゃんが受けてくれているのに、最後のバッターがフォアボールでは嫌やだしね。「絶対に良いボールを投げてやる」と思って腕を振ったよ。というか、サインが出る前から、オレもインコース真っすぐと思っていたからね。だからこそ、お互いの気持ちが通じ合って、良いボールを投げることができたんやと思う。

 一番右端のブルペンでね。何と言うか、あのときは独特の空気が流れていたように思う。オレも寂しい気持ちがどこかにあって。それとは別に「良い下柳で終わりたい」という思いもあって。

 これには、続きがあってね。矢野ちゃんが9月25日に行われたファーム最終戦・中日戦に出場することになって、9回のラスト1イニングでバッテリーを組ませてもらうことになった。

 ファームにとっては優勝がかかった一戦でね。途中「オレ、やっぱり投げなくていいわ」とか言いながら、マウンドへ行って。なんとか2アウトになったんやけど、一、三塁のピンチで打席にはセサル。空気も読まんとブンブン振り回してきたけど、最後はフォークで空振り三振を奪うことができた。

 最後の1球は矢野ちゃんのミットで終わらせたい気持ちがすごく強かったからね。「絶対に三振とったる」と。本当に、1球1球魂を込めながらのピッチング。だから、ファームの試合にもかかわらず、三振をとって渾身のガッツポーズが飛び出たもんね。

 その後はどちらからともなく歩み寄って…。矢野ちゃんと抱き合ったよ。それまでのいろんな思いもこみ上げてきてね。オレのプロ野球人生においても、すごく印象深い場面の一つ。同い年として負けたくない思いもあったけど、それ以上に矢野ちゃんに対しては感謝の思いが強かったから。

 オレがアメリカへトライアウトを受けに行く前には、わざわざ自主トレ先の奄美大島まで矢野ちゃんが来てくれたこともあったね。その気持ちがすごく嬉しかったし、良い思い出だよね。

[ 2014年10月27日 ]

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