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プロで長く飯を食う上でも重要だった「気を込める」こと

 スポニチアネックス読者のみなさん、いかがお過ごしですかな? 1週間のご無沙汰です。下柳です。

 阪神は好調をキープしていますな。長期ロードも4つの勝ち越しで終了。首位をキープしたまま、勝負の9月戦線を迎えようとしています。

 8月28日のヤクルト戦(甲子園)をテレビ解説してきました。サンテレビで小山正明さんと同席させてもらってね。小山さんはオレがペーペーだったダイエー時代の投手コーチ。隣に座らせてもらっているだけでも、恐れ多かったよ。

 当時はまあ、とにかく投げさせられた。練習、試合、試合が終わってからも投げ込んだこともあったぐらいに。それがあったからこそ、プロで長くやらせてもらえたんやけどね。あとは、それだけハードな練習をしてもぶっ壊れない丈夫な体に産んでくれた両親にも感謝!

 阪神先発は藤浪だったけど、真っすぐが良かったよね。今季はインステップがかなり矯正されてキャッチャー方向に対して真っすぐ左足を出せるようになった。その分、シュート回転がなくなったから、左打者もそんなに苦にならないと思う。左打者の内角狙うはずが真ん中へ…というシーンは、ほとんどなかったから。真っすぐはほとんど前へ飛んでなかったし、まだまだ勝てる、いや勝ってもらわな困るよね。

 さて、今週は「気を込める」というテーマで書かせてもらうことにしますわ。現役時代、オレはただ投げるのではなく、気持ちを込めて打者に向かっていくことを大事にしとった。でも、人間だから、100%そうなるとは限らない。不思議なもんで、気持ちが乗っていないと感じるときは打たれることが多かったよね。それとは逆に、一つのことを大事にする気持ちがあるからこそ、考え抜かれた工夫や、勝負所での気迫といったものが生まれてくる。その「気を込める」ことこそが、プロで長く飯を食う上でも重要だったと、いま改めて思うよね。

 考えてみてほしい。同じ140キロの真っすぐを投げるのでも、気持ちを込めた1球と、ただ漠然と投げてしまった1球とでは全く結果が違う。そりゃ、そうやろう。バッターだって自分と家族の生活を守るために、必死でバットを振って、打席に入っているんやから。それに対して、オレがな〜んにも考えずに投げてしまったら、そら、打たれるわな。

 「良い球を投げているけどピッチングが軽い」「気持ちがこもってないから勝てません」と解説者から指摘される投手をじっくりと見てほしい。そうすれば「気を込める」ことの大切さを、読者の方々にも理解してもらえるんやないのかな。

 仕事にしても、全く同じことがあてはまると思う。一つ一つの事象に対し、気を込める視点で取り組むだけで違った風景が見えてくる。相手にその気持ちが伝われば、信頼感も生まれるだろう。あるいはその仕事に込められた奥深い尊さに気付いたり、小さなことにも工夫を重ねようとする自分自身に気付くかも知れない。

 ビジネスというのは相手がいて初めて成立するのだから、時には野球と同じで負けることもあるかもしれない。だけど、相手がいるからこそ「気を込める」ことで結果が良くなることがあるし、勝負の行方を決定づけるのは実は小さな工夫の積み重ねが何よりも大事だと思う。

 挫折の数は誰よりも多い自分は、這い上がろうとするとき、いつも心がけていた。

 「視点を長いスパンに置くのではなく、その試合、1球1球に意識を集中して全力を尽くす」

 それでは、また来週会いましょう!

[ 2015年8月31日 ]

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