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才能より経験 失敗は成功よりも価値がある

 どうも〜。1週間のご無沙汰です。下柳です。スポニチアネックス読者のみなさん、ご機嫌いかがですかな?

 先週の原稿を執筆した時点では一気に抜け出すかと思われた阪神やけど、一進一退の状況が続いていますな。9月2日の阪神―広島戦(甲子園)を解説してきました。

 広島が5―1で快勝した一戦、勝敗の分岐点は5回やった。二死一、三塁からエルドレッドがバックスクリーンへの3ランホームラン。打たれた岩田の悔しい表情が印象的やったね。

 この場面は、投手としては絶対に抑えたい、いや抑えなければいけないところやった。気持ちの上では当然、張り詰めたものがあったやろう。オレはエルドレッドがどんな様子で打席に向かうかを注目しとったんやけど、打席に入る直前、大きく深呼吸をするシーンがあった。

 現役時代、オレも同じような場面を何度も何度も経験した。すると、どうだろう。晩年はメンタルトレーニングに熱心に取り組んでいたこともあって、視野がどんどん広くなっていった。

 実際のところはどうだか分からないが、仮に岩田がエルドレッドが深呼吸する場面を目にしていたら、気持ちの持ち方は少し変わったのかもしれない。

 「あ、オレも緊張しているけど、エルドレッドも緊張してるんだな」

 少なくとも現役晩年はそういうことを感じながら、マウンドに立っていた。緊張がなくなるということはないけれど、そういうこと感じられるかどうかは非常に大事。何も気付かないまま投げるのとでは、全く違うと思う。

 岩田が打たれた3ランも痛かったけど、阪神としてはエルドレッドを乗せることの方が嫌だろうね。元来、ホームランか三振かというタイプの選手。ということはつまり、あの3ラン一本で、その日は仕事をやり遂げたことになる。百点満点だよね。阪神は広島との残り試合が、どのチームよりも多く残されている。広島戦をどう戦うかで、シーズンの行方が大きく左右される。だからこそ、エルドレッドに一発を打たれたことは痛い。逆に広島にとっては、それぐらい価値がある一撃やったと思うよ。

 さて、今週は「失敗は成功よりも価値がある」という話しについて書かせてもらいますわ。オレの持論というか、人生観は「続けないと、成功はない」ということ。才能のなさや環境などを理由に夢を途中で諦める人が多いと思うけど、最後の決断を下す前に、頭だけで下したものなのか、実際に挑戦した末に下したものなのか、もう一度、自分自身で問い直してほしいと思う。

 それこそ、オレの野球人生は失敗の連続やったからね。中学時代は腕の骨折もしたし、瓊浦高時代も胃潰瘍になった。甲子園にも行けなかったし、その後も大学を中退…。ほんまに、いろんな挫折、失敗を経験した。

 それでも、あれだけもの長い間、現役でプレーできたのは挫折や失敗から多くのことを学ぶことができたからだと思う。試合で失敗しても素早く原因を特定することを心がけていたし、試合の最中から修正を図り、同じ失敗を2度繰り返さないことを強く意識しとった。その結果、いろんなピンチを切り抜けるための発想法を身につけることができたんやろう。

 実際に挑戦を重ねた末、身体から「肌に合わない」というサインが発せられたのなら、方向転換も仕方がない。しかし、少しの失敗を理由に「才能がない」と頭だけで判断を下しやめる結論を出すのは、少し待ってほしい。失敗というのは、よほどの天才でもない限り避けては通れない。大切なのは、そこから何をどう学ぶか、ということに尽きると思う。蓄積される経験の力の方が、生まれ持った才能を超える価値があるのではないのかな!以上、下柳でした。

[ 2015年9月7日 ]

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