長妻昭代表代行は24日夕、民主党の代表代行としては最後となる記者会見に臨み、新党の準備状況や、22日に発表した重点政策「共生イレブン」の考え方などについて見解を語った。

 冒頭、自身の政治経歴を振り返り、「新党さきがけから96年の旧民主党に参加して、98年からは民主党に合流。2000年に初当選して今の民主党の1期生になった。同期には細野豪志さんや山井和則さんがいる。党が変わることは感慨深い」と述べ、その中で「しっかりと大きな選択肢を国民に示すことができたのかなと思う。さらに国民の期待をいただければ政権を担う準備が整う」と新党への期待を示し、「思いを一致させて、今の政治を大きく変えるために一丸となって取り組んでいきたい」と抱負を述べた。

 22日に「次の内閣」で最終的に了承されて発表した「共生社会創造に向けた民主党11の提案」(共生イレブン)に関しては、最近安倍総理が同じような表現を使い始めたことについて「悪いことではない。やるべき政策で、民主党が主張していることの必要性に気づいてきたのだと思う」と受け止める一方で、「どう考えても看板倒れに終わるのではないか。(夏の)選挙が終わるとケロッと忘れて、憲法改正だという話になるのではないか」と懸念も示し、「向こうが同じ土俵に乗ってきたのだから、それを本物に変えていく役割がわれわれにはある」と、国会論戦などを通じて内容を詰めていく考えを示した。

 記者から「共生社会」の定義を問われた長妻代行は、「元々は障害を持つ人とそうでない人が分け隔てなく暮らしていくところから言葉ができた。その意味が広がって、一人ひとり人間は違い、その多様性を認めていく、その上で格差の是正で支え合う力を育んでいく。お互いに支え、支えられ、支え合う関係性を広めていく。政策的には、『支え合いを支える仕組みをつくること』が共生社会だ」と説明。さらに「持続可能な社会をつくる社会政策であると同時に、中長期の経済政策でもある」として、夏の国政選挙の大きな争点にしていきたいとも述べた。

 待機児童問題などでの山尾志桜里衆院議員の鋭い追及に代表される、女性議員の活躍についての評価を求められた長妻代行は、「山尾さんのような、地に足のついた生活実感にあふれた質問、そういう切り口には安倍総理は弱いようだ。役所から上がってきたデータを読み上げるだけで、生活している人たちの声を聞く姿勢が不十分、それが今回の事態を招いているのではないか」と指摘。「やはり目くらましというか、民主党の論点を選挙前に消しておきたいと、にわか勉強で話したツケが回って、そこをするどく見破って、是正を強く迫る姿が共感を得ているのではないか」と分析し、「ずっと国会にこもりきりでは、生活実感から離れてしまう」と自戒を込めながら、「女性の力を多く集めることが今後の勝負になる」と女性議員の活躍に期待を示した。