幹事長 枝野幸男

  • 「60年ぶりの改革」と称するが、組織いじりに終始し、どうしてこれが、強い農業を創り、農家の所得を増やすのか、全く道筋が見えていない。安倍政権、自民党の農業改革は、農家の声を聞き、農業自体をどう再生していくのか、という本質的な部分の議論が全く欠けている。
  • そもそも戦後の「猫の目農政」と呼ばれた自民党農政が農業を衰退させ、1600万人の農業人口を200万人まで減少させた。昨秋の米価下落で廃業を検討する農家も多く、農家の方々にとって将来への展望は全く開けていない。今回の改革案と称するものが、今の農家の方々に何らかの希望をもたらすものとは思えない。先ずは、自民党自身がこれまでの農政を総括するべきではないか。
  • 現在、日米間でTPPに関する交渉が大詰めを迎えていると報道されている。コメ、牛肉・豚肉などの重要品目において我が国が大幅に譲歩しているとの内容であるが、これが事実であるとすれば、農畜産家の方々と正面から真摯な議論を行わなければならない。今回の組織いじりが、この議論を空洞化させるものであるなら、断じて許すことはできない。
  • 民主党は戸別所得補償制度を復活させ、セーフティネットをしっかり作った上で、各地の農家を競争力と魅力あるものに変えていく、という本質的な改革を進めていく。