韓国の経済成長には勢いがあって、2027年には1人当たりの名目GDP(国内総生産)が日本を上回る―という予測に大はしゃぎしているのは、韓国人ではなく日本の左派系の学者やジャーナリストのようだ。
韓国政府発表の統計数字にだけ依拠して、韓国の経済を分析していけば、きっと上記のような予測が成り立つのだろう。
しかし、大統領選で目下トップを走る与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事が面白いことを言った。「経済は科学ではなく政治だ」と。3月9日の投票で、誰が新大統領に決まろうと、韓国経済は「日本を追い抜く」どころか、政治主導により長期にわたる大混乱期に入ると見ておくべきだろう。
李在明氏が年初から、まさに「ド左翼」というべき姿勢を露骨に示し始めたのは、「左翼勢力の支持さえ固めれば、分裂含みの保守派を蹴散らすのは簡単」と読んだからだろう。中間派の支持を得るためのリップサービスはもう必要ないというわけだ。