大学入試で相次ぐ不正行為を受け、大学入学共通テストを運営する大学入試センターはスマートフォンの禁止を厳格化するなど対策を強化する。だが、その隙をついた新たな不正が生まれる可能性も否めない。中国では映画のような〝カンニング大作戦〟が横行しており、専門家は「中国のノウハウが日本に輸入される恐れもある」と警鐘を鳴らす。
共通テストでは試験前にスマホの電源を切るよう呼びかけていたが、今後は試験前に机の上に出させて一斉に電源を切り、かばんにしまわせる対応に改める。
今年1月の共通テストで発覚した不正では、受験生が服の袖に隠したスマホにイヤホンを接続し、外部の協力者から答えを聞き取っていた。このため受験生向けの案内にイヤホンの使用禁止も明記する。電波遮断装置の導入は巨額の費用が課題となり見送られた。
こうした対策についてITジャーナリストの三上洋氏は「電源を切ったように見せて実際には切らなかったり、複数のスマホを所持したりといった隙はある。心理的な抑止を期待する苦肉の策ともいえる」と指摘する。