「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログです。

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西日本の土壌調査が必要な訳。ホットスポットはどこにあるのか。

2011-07-27 23:58:16 | 福島第一原発と放射能

 横浜での講演会に二百五十人くらいの方がおいでになりました。当初想定していたよりも長く五時間半のロングランの講演と質疑応答になりました。講演自体よりも、皆さんのお話にどう答えるのかで、日々試されている感じも僕はしていて、多くの方の見解も伺うのは勉強になりますし、実際色んな方の情報が参考になります。ひとつ気になったのは、横浜から一度北海道へ行かれた女性がいて、この女性が北海道で、たまたま福島からの避難者の方々と親しくなられたそうで、そこで色んな事象がおきていて、びっくりされたとう事をかなり真剣に話されていたのが、印象に残りました。実際に、対話集会的なスタイルを継続していくと、現実に何がおこりはじめていて、さらに何が展開していくのかという推測が成立する事になると思います。結局、ぼくのやっている作業というのは、こうしたことの一つ一つの積み重ねな部分が大きくて、これをどういう形で展開するのか、僕がより的確にできるのかどうなのかと言う事につきると思います。今回は、夜にも「土壌調査」についてのミーティングが深夜まであり、翌日昼も一ヶ月ぶりに都内での作業もあり、その後、午後遅くに移動したため、プログの更新が大幅に遅れていて申し訳ないと思っています。

 その講演会の中で、複数の方から声があがっているのは、都内や神奈川で、高線量の地域に居続けることはやめるべきなのは、その通りと考えますが、それほどでない空間線量のところでいることはできるのではないのかというご質問でした。いずれにしても、食事による内部被曝は避けるべきですから、それはどこにいようが厳守するという前提です。勿論、関東圏では、どのエリアでも僕はある程度以上被曝していると考えていますし、本当に被曝しているところとそうでもないところが、まだらに並列して存在している状態です。それを考えると、低いところが本当に低い担保は十分にないのと、低いといっても百ベクレルや二百ベクレルくらいは汚染している可能性があって、それは嘗て日本国内ではおきていない放射能汚染の状況だったりすると、その環境が安心できるものではないということです。セシウムだけではない別の核種がどのように落ちているかも分からない、ある種の賭けに近い部分があって、その賭けをするべきなのかどうかということだと思います。呼吸をつうじての空気による内部被曝をどこまで見積もるべきなのか、土壌との接触など、身の回りに核種が色々ある環境に、特に子ども置くべきとはとてもおもえないということです。

 そうすると、避難をしようとするエリアに、どのくらいの土壌汚染が現実にあるのかということが気になります。そこで、最近、最も心配されているのが、中部地方や関西で、線量があがっていると言う報告があることです。具体的にも近畿のある場所で、空間線量だけでなくて、土壌に線量計を直接おくと線量があがり、さらに土を一定レベルまで掘ると、線量が下がるケースもあります。この場合、数センチレベルまで浸透する形で放射性物質が蓄積している可能性があり、数十ベクレルの汚染は、覚悟しなければならないかもしれません。数ベクレルレベルのきのこの汚染が九州で確認されていますから、近畿で数十ベクレルの汚染もでてきてもおかしくはないでしょう、もちろん西日本で数十箇所土壌調査をしても全体がわかりませんし、その町の別の場所はぜんぜん違う数値かもしれませんが、ただしまずは目安が必要だと言う事です。その中で、ホットスポットがあるのなら突き止めなければならないということでもあります。

 

「追記」

 長野県佐久市が学校で土壌調査をおこないました。7月19日に市内の小中学校・保育園の校庭・園庭等、13ヶ所で土壌を採取し、民間研究機関で測定。セシウム(134、137)を検出。最大で210Bq/kg。13ヶ所のうち8ヶ所で100Bq/kg超ということです。長野の佐久市は一定程度汚染は想定されていましたが、この結果から判断すると、軽井沢や上田市も調査は早急に必要と思います。これは遠隔地にホットスポットができているケースというよりは、関東に隣接しているエリアで放射性物質が拡散している状態です。僕たちもすすめていますが、特に関東の隣接エリア。長野、山梨、静岡で、どの程度汚染されているのかをつきとめる必要があります。

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