「日本とインドの友好関係の増進に民主党も努力」海江田代表、定例記者会見であらためて表明
 海江田万里代表は2日午後、党本部で定例記者会見を開き、(1)インドのナレンドラ・モディ首相への表敬訪問(2)8月29日に開催した党改革創生会議(3)子どもの貧困対策大綱――等について取り上げ、発言した。

 首相就任後初めての来日となったインドのモディ首相への表敬訪問については、「苦節10年、インドの総選挙で政権与党なったので祝意をお伝えした」としたうえで、会談では民主党政権時にインドとの関係促進に努力してきたことに言及したと説明。経済産業大臣としてEPA(経済連携協定)、高速鉄道などインフラ整備やインド産レアアースの対日輸出促進など、経済関係の強化に力を入れてきたことをあらためて取り上げ、民主党は野党となったが引き続き友好協力関係は強めていきたいと表明したと語った。 

 モディ首相からはインド人民党(BJP)は2議席からスタートし、今年の総選挙で282の議席を獲得して与党になった旨が語られ、民主党に対し「今は野党だが将来の政権奪取に向けて頑張ってほしい」との期待感が示されるとともに、民主党との党間交流促進の提案があった。具体化に向けて今後着手していくことになるとした海江田代表は、「荒井室長が18日からスリランカで行われるアジア政党会議に参加し、インド人民党も代表を派遣するということなので、そこで具体的な話をしてくる。日本とインドの友好関係がますます増進するよう、民主党も努力していくことをお話した。たいへん有意義な会談だった」と海江田代表は述べた。

 8月29日に開催した党改革創生会議については、「7月25日に党改革創生会議から提出された報告書をできるだけ早く実行するため4つのチームを立ち上げた」と述べ、荒井聰役員室長を座長とする「党運営関係検討チーム」、髙木義明代表代行を座長とする「代表選挙制度検討委員会」、細野豪志党改革創生本部副本部長を座長とする「男女共同参画政党検討チーム」、古本伸一郎組織委員長・馬淵澄夫選挙対策委員長を共同座長とする「統一地方選挙・アクションプラン」検討チームの4つを設置した旨を発表した。「報告書の課題について、すぐに実行するものもの、少し時間はかかるがその後実行するものに仕分けをし、9月16日の衆参国会議員研修会で方向性を出していただくことを確認した」と語った。

 先週8月26日の定例記者会見でも取り上げた「子どもの貧困対策大綱」が29日に閣議決定されたのを受けてあらためてその内容について発言し、「民主党は子どもの貧困率を低くするためその数値目標を盛り込むべきだとこれまでも主張してきた。特に昨年5月の野党4党(民主、みんな、生活、社民)で共同提案した『子どもの貧困対策法案』には数値目標がはっきり書きこまれていた」と説明。その後、与党も加わって最終的に超党派で成立した法律では貧困率削減の数値目標が法律から抜け落ちていた点を海江田代表は問題視。「『子どもの貧困対策に関する基本的な指針』の中に『子どもの貧困率に関する指針』が盛り込まれたことから大綱に数値目標が盛り込まれるものだと思っていた」と述べ、「しかし29日に閣議決定された大綱からは数値目標が抜け落ちている。これでは本当に子どもの貧困対策に力を入れていく本気度が見えてこない」と指摘し、臨時国会でこの問題を明らかにし追及していく考えを示した。

 海江田代表はまた、さいたま市に住む全盲の男性が連れていた盲導犬の「オスカー」が何者かに刺されてけがをした事件について非常に気にしているとして取り上げ、「警察は懸命に捜索しているということで、刑の軽い動物愛護法ではなく、刑法の器物損壊罪で犯人の特定をしているということだが、盲導犬や介助犬が器物損壊罪でいいのかどうかとも思う」と指摘。そのうえで「民主党のなかでこれから議論する。今の法律で変えるべき点があれば変えて、二度とこのようなことが起こらないよう取り組んでいく。目の不自由な方、あるいは介助が必要な方に寄り添ってくれている犬であるので、それに対する攻撃は障害のある方への攻撃と同じではないかと考えるので、厳重な処罰が必要だと思う」と語った。