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福島民報ができるまで

「新聞」が教科書に

 今年度から小学校の授業に「新聞」が登場しました。
 新しい学習指導要領に、子どもたちの読解力や表現力を育てる新聞活用が盛り込まれたためです。中学校でも来年度から新聞を使う授業が増えます。

■新聞活用の授業とは・・
 新しい学習指導要領は、「言語力の充実」をすべての教科に掲げたのが大きな特徴です。文章を読み取り、文章で表現する言語力こそ、子どもたちの学力や実社会で役立つ思考力、判断力を育てる学習の基本であることを示しました。そして、そのために新聞を授業に活用することが明記されています。
 実際に今年から小学校で使用されている各教科の教科書には、多くの場面で新聞が登場しています。

 国語の教科書では小学4年生で取材や編集を体験する「新聞を作る」、5年生は「複数の新聞を読み比べる」、6年生で「新聞の投書と自分の考えを比べる」などが登場しました。
 社会では5年生で実際の地震を新聞はどう伝えたか、平和運動などを通した新聞社の役割りなどを学びます。
 理科や生活では観察した結果を読む人に伝える新聞作り、算数でも概数や百分率、歩合などの使い方を新聞から学ぶ内容が取り上げられています。

読む機会が多いほど読解力向上

■授業に新聞が使われる理由とは・・・
 経済協力開発機構(OECD)が世界の15歳の子どもたちを対象に行っている学習到達度調査(PISA)によると新聞を読む機会の多い子どもほど、総合読解力の得点が高いことが分かっています。
 日本の場合、総合読解力の得点は新聞を「週に数回」読んでいる高校一年生が最も高く534点。「月に数回」「月に1回くらい」「年に2~3回」と新聞を読む回数が少なくなると得点も下がっていきます。「まったくかほとんどない」は489点で、大きな差があります。

子どもの皆さんへ 伝次郎からアドバイス 

■子どもの頃から新聞を読むと
●読み取る力、表現する力がつきます
 読み続けることで文章が何を伝えているのか、どんな意味を持っているのかが、わかるようになります。また、日本語の正しい使い方、上手な表現方法や言葉を学ぶことができます。
●自分で考える力、判断する力がつきます
 世の中の出来事の記事を読むと、頭の中で整理しながら、関係づけて考えられるようになります。記事を読むことで、疑問や意見が芽生え、自分で考えて判断する力を養うことができます。
●いろいろな情報や知識が得られます
 新聞から地域や日本、世界で起きていること、文化やスポーツなどいろいろな情報を得ることができます。友達、家族との話題も広がり、話すことで知識はどんどん増えます。