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忘れもしない救援登板翌日のプロ初完投、さらにとんでもない展開が

 1週間のご無沙汰です。どうも〜、下柳です。スポニチアネックス読者のみなさん、前回の「ネット版解説」楽しんでもらえましたか? オレにとっては初の試みやったけど、みなさんに少しでも野球の奥深さを知ってもらえたら幸いです。また機会を見つけて、ちょくちょく書かせてもらいますので、そちらも期待しといてください。

 さて、阪神に話題は移るけど、ようやくチーム全体が調子をつかんできたみたいやね。テレビ解説させてもらった4月29日のヤクルト戦も、岩田がよう粘ったよね。前回の当欄では梅野とのコンビネーションで内角をなかなかつけなかったことを指摘したけど、今回は序盤から内角を使えていたように思う。あとは岩田の気持ち。やっぱり、プロの世界でも最後にモノを言うのは気持ちの部分やからね。7回で10安打されての無失点は、そこを評価できるんやないのかな。

 というわけで、少し前置きが長くなってしまったけれど、今週はオレのプロ初完投勝利の思い出を書かせてもらうわ。

 プロ入り3年目のシーズン、つまりダイエーに在籍していた1993年のことやった。忘れもせん、9月29日東京ドームでの日本ハム戦なんやけど、実は前の日にもリリーフで登板しとった。

 というよりは29日に先発することは決まっていて、オレはベンチに入って試合を見とった。そしたら、いきなり根本(陸夫)のオヤジから指示が飛んできた。

 「おい、シモ、肩慣らしにいっとけ」

 今の時代やったら考えられんことやけど、当時は普通にこんなことがあった(笑)。で、言われた通りに1イニングだけ投げたら、3安打されて1点失って。こっちとしたら「おいおい、先発前日に何でやねん」という感じやったけど、それでも気を取り直して翌29日に臨んだ。

 そしたら、自分でも驚くぐらい、スイスイ回が進んでいってね。完封目前というところまで行ったんやけど、リックシューにホームランを打たれてしもうた。

 問題はその次や。ウインタースがバッターやったんやけど、変化球が抜けて肩の付近にポンと当ててしまった。マウンドからとぼとぼ歩いて当たったボールを拾いにいってふっと顔を上げてみたら、ウインタースが鬼の形相でこっちを睨んどるやないか!

 絶対に痛くなかったはずやし、神に誓ってもわざとやなかった。でも、ウインタースは怒りくるって歩み寄ってくる。

 「さすがに、これヤバイんちゃうか」

 そう思った次の瞬間、両軍が入れ乱れての乱闘騒ぎになっとった。オレにとっては、人生初の乱闘!オレは心の底から「違う、違う、わざとやない! だいたい、そんな失礼なことせんわ!」って叫んでいたよね。

 幸い、大騒ぎにはならなかったけど、なんでもアメリカでは本塁打を打たれた次の打者に、死球をわざとぶつけることがあるみたいやね。ウインタースはオレがそうしたと思ったらしい。あと、もう一つの要因は、ホークスのピッチャーがそれまでにも結構ぶつけとったからね。そういうイライラがオレの時に爆発したということや。

 その後は気を取り直して、9回を6安打1失点に封じての完投勝利ですわ。意気揚々と帰りのバスにも乗り込んでね。まさに気分爽快。都内の宿舎へ戻ったら、根本のオヤジがオレを呼んでいるという。

 「よっしゃ、監督賞や!」

 そう思って、オヤジのところへ行ったら、とんでもない展開が待っとった…。というわけで、続きはまた来週! みなさん、ごきげんよう。

[ 2015年5月4日 ]

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