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下柳剛のシモネタ発見

野球の魅力、奥深さの発信続けたい!2年間ありがとうございました

 スポニチアネックス読者のみなさん、いかがお過ごしですかな? 早いもので、今年ももう終わりですな。この原稿を書いているのは12月26日なんやけど、25日には今年で6回目になる「プロ野球長崎県人会」による野球教室が行われました。もちろん、長崎県の波佐見というところでね。

 会には阪神から江越、松田が参加してくれた。ともに期待がかかる存在。来年、江越はレギュラー、松田はセットアッパーを目指してほしいよね。江越は2ケタ本塁打がノルマというようなことは言わず、一気に20本塁打ぐらいかっ飛ばしてほしい。浜中コーチが1軍に来たことだしな。松田は一昨年、昨年の前半戦ぐらいの働きぶりをしないといけない。課題は気持ちの整理の仕方とかなんだろうけどね。

 子どもたちに対しては「キャッチボールの1球1球がプロ野球選手への道のりにつながっているんだということを意識してほしい」という話しをした。それにしても、こういう野球教室は良いもんだよね。元気をもらえるし、これからもどんどん長崎からプロ野球選手が出てほしい。そのきっかけになってくれれば、こんなにうれしいことはないよね。

 さて、今回は野球界のいわゆる「プロアマ」の垣根をテーマに書きたいと思う。先日、プロ野球経験者が高校・大学で指導する資格を回復できる研修制度のアマチュア側による研修会が、大阪・吹田で行われた。特に2日目はアマ内規など約6時間の講義があり、研修終了後には修了証を交付してもらった。講義を受けた率直な感想としては「人格形成に関わるので、指導は簡単じゃない。指導者にはコミュニケーションが求められる」といったところかな。研修制度は今年で3回目になるそうだけど、どんどん続けてほしい。プロアマの垣根がなくなれば、と切に願う。

 改めて、過去の歴史をひもといてみても、なぜもっと早く解決できなかったのか?と思うよね。両者が雪解けを頑なに拒んでいたというのかな…。技術だけに目を向ければ、やはりプロ野球経験者にアマチュアの早い段階から教わることは絶対にプラスだよね。練習の効率だって、アマチュアよりプロの方が絶対に良いんだし。プロの世界は根性論で動くようなことはないから、その分、故障も減るだろうし。社会人野球まで進んで初めて、元プロの声に触れられるというのでは、あまりにもったいない。

 例えば投球フォーム一つをとっても、プロとアマでは指導内容が違ってくる。やっぱりアマチュアの野球を見ていて目につくのは、軸足の膝をつくというか、低いところから投げることを指導者の方が奨励しているようにも見受けられる。そんなに軸足を折り曲げちゃったら、投球の角度もつかないし、下半身も疲れやすくなるわな。あるいは内野ゴロなら、無理をしてでも身体の正面に回りなさい…。守備範囲を広げる練習をしている時ならまだしも、プロは大概、逆シングルで捕るよね。だって、その方が送球までが早いんだから。

 もちろん、遠回りすることはムダじゃない。オレ自身、大学を辞め、社会人に進んだ経験があるから。そのプロセスの中で野球以外にも、いろんなことを学ばせてもらったと思うし。ただ、早い段階からプロの技術指導を受けることができれば、底辺拡大にもつながるやろう。野球人口の減少が叫ばれて久しい。ならば、新しい道を模索していかないといけないのは確かだよね。

 もしも将来、高校野球を指導する機会があるならば、努力、友人、工夫することの大切さと言った部分を子どもたちには教えてあげたい。感謝の気持ちを持って、回りの方々と接する。人間1人じゃ何もできないんだからね。

 さて、2014年1月から連載していた「下柳剛のシモネタ発見」も今回が最終回となりました。スポニチアネックス読者のみなさん、2年間、本当にありがとうございました。年が明けたら、まずは2月のキャンプ。2016年もプロ野球の魅力、奥深さをどんどん発信していきたいと考えております。皆様とはまた違った形でお会いできるのを楽しみにしています。では、また!

[ 2015年12月28日 ]

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 ◆下柳 剛(しもやなぎ・つよし)1968年(昭43)5月16日、長崎県生まれの46歳。瓊浦、八幡大(中退)、新日鉄君津を経て、90年ドラフト4位でダイエー(現ソフトバンク)入団。96年からは日本ハムでプレー。阪神では移籍した03年に10勝、05年に史上最年長の最多勝投手となる15勝で2度のリーグVに貢献するなど、9年間で80勝。11年オフの自由契約を経て12年楽天移籍も4試合0勝2敗で再び戦力外となり、13年3月に現役引退を表明した。現在は野球解説者として活躍。通算成績は627試合で129勝106敗22セーブ、防御率3.92。

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